●会社法制の現代化に関する要綱
いつのまにやら(案)がとれて総会で答申としてだされ決定していたようです。
2月9日の決定ということで、そのあとに(案)をつけた状態で話をしていたというのはお恥ずかしいかぎりでございます。
http://www.moj.go.jp/SHINGI/050209-1-1.html
ざっと見渡したところ、(案)からまったくといっていいほど変更がないようです。
部会で決定したものを、総会で追認するだけななんでしょうが。
この後、内閣法制局あたりが法文を作成していくことになるのでしょうが、慎重に行ってもらいたいものです。
復習がわりに今回の「会社法」に関するおおざっぱな方向性は、
・有限会社制度の廃止 →物的会社を株式会社に統合
・合同会社(日本版LLC)制度の創設
・最低資本金制度の撤廃
・類似商号制度の廃止
・取締役、監査役の任期の変更(2年、4年→最長10年)
です。
一番大きいのは、有限会社制度を廃止して、株式会社に統合してしまうという点でしょうか。
有限会社は非常に使いやすい制度であり、実のところ現行の法制度では、一番多い組織形態であります。
ただ、その名称から株式会社よりも劣っていると思われたり、果ては、会社の仕事が「有限」だというネガティブな印象があるなどといわれて、少しでも大きくなると猫も杓子も「株式会社」を目指してしまうということがあり、それならば…というきわめて単純な思考によるものであるとしかいいようがありません。
そも、株式会社・有限会社の組織形態は、物的会社といわれるもので、所有者(株主・社員)と経営者(取締役)とが分離されていることが予定されており、大勢の株主が取締役に経営を委任するという会社形態ですから、株主と取締役との緊張関係を想定し、「間接(株主)民主主義」を達成するために、株主総会、取締役会、監査役(会)といった機関が規定されるもので、「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」を合い言葉になっていたのはそういった理由のものであります。
しかし、現状の中小の有限会社・株式会社の多くは、取締役=株主であり、また、株式の譲渡制限を設けているため、他者を受けいることを予定しておらず、会社の機関が有効に活用されず、代表取締役社長のワンマン経営がなされているのが実状です。
つまりは、物的会社である株式会社・有限会社であっても、人的会社(経営と所有が分離されていない会社)がその会社の規模を問わず多かったのが実状であり、今後も会社法の改正によってもこれが放置されることがきまったわけです。
さて、有限責任社員のみで構成する人的会社なる「合同会社」(日本版LLC)制度ができるということですが、新たな会社形態としてそれなりに注目されてはいます。
ただ、今後も株式会社制度で人的会社的組織が成立することが先述の通り決定したわけで、この合同会社をどのように利用するべきかがまったくといっていいほど周知されておりません。
株式会社も、有限責任社員のみで構成されるものですから、合同会社と株式会社の違いというのは、「人的会社」か「物的会社」かという性質のみが違っているということになります。
#人的会社で有限責任のみで構成がありうるかが疑問でありますがこの議論は割愛します。
ただ、先述したとおり、株式会社であっても人的会社的な組織が実状として存在しており、それを認める会社法制では、この合同会社制度も、今までの人的会社である合資・合名会社制度と同様に埋もれていくことでありましょう。
個人的な意見をいわせてもらえれば、株式会社の最低資本金=1億円とし、株式譲渡制限を禁止、それ以外の会社は、人的会社とみなして合名・合資・合同会社制度を薦めるというのが、理想なのではないかと思っております。
