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2005年03月31日

●民法の口語化

「民法の一部を改正する法律」の概要
http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan28.html

民法の一部を改正する法律案新旧対照条文
http://www.moj.go.jp/HOUAN/MINPO3/refer04-000.html
(テーブル使用のため、読み込みまでに若干時間がかかります)

ずいぶん前に口語化によって民法の用語がかなり「わかりやすくなる」ということが報道されていたのですが、いつのことだろうと思っていたら、明日からだということだそうです。
ごめんなさい。全然察知しておりませんでした。(汗)

用語の変更点としては、

 例えば,「疆界(きょうかい)」を「境界」に,「囲繞地(いにょうち)」を「その土地を囲んでいる他の土地」に,「溝渠(こうきょ)」を「溝,堀」に,「僕婢(ぼくひ)」を「家事使用人」に,「薪炭油(しんたんゆ)」を「燃料及び電気」に置き換えています。

とのことで、それなりに「わかりやすく」なっているようです。

やはり古い条文で勉強した人間にとっては、当分違和感がつきまとうものでしょうが、それは、8年前に刑法が口語化されたときと同じことなのでしょうか。

ただ、「改正」であって、新法を創ったわけではないので、制度としては、同時に改正されている「包括根保証」部分以外は、特に改正点はないようです。
#ドイツ民法が出自の条文(規定)と、フランス民法が出自の条文(規定)が隣り合っているような奇妙な現象はまだ続くようです。

2005年03月19日

●社外取締役

東京のNPO、社外取締役候補の紹介サービス (NIKKEI.NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050318AT1D1806618032005.html

今回のニッポン放送問題に限らず、脚光を浴びている「社外取締役」ですが、代表取締役が取締役に対して指示、命令をするなど、本来とは逆方向のことが多い日本の会社構造のなかでは、株主利益の代弁者として、重要な位置を占めるものとなってきます。
取締役会が株主の利益に反すると思われるような経営判断をしようとするときに、社外取締役が株主利益を俯瞰的に判断し、取締役会において発言していくことは、これもまた予防法務的手段としては有効なものだと思えます。
#たとえば、ニッポン放送の新株予約権発行に関する地方裁判所の決定中では、社外取締役の存在を一つの論点としてあげていました。

しかし、全国社外取締役ネットワークのサイトを見てみると、

社外ネットの会員には、社外取締役や企業経営者の以外に、社外取締役の候補者となりうる監査役役(常勤、社外含む)、専門職(弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士、証券アナリスト等)、大学教授、研究者、コンサルタントなど、さまざまな経験をお持ちの方が広く参加しています。

となっており、行政書士が専門職という枠組みの中にはいってきておりません。
残念なことです。

2005年03月15日

●独禁法改正

独禁法改正案、衆院本会議で可決
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20050315AT1F1501115032005.html

色々なところで反対論があったのを読んでいたのですが、いつのまにやら通過してしまったようです。
課徴金が、6%から10%へ引き上げ(製造業・大企業の場合)ということですが、当初は、12%だったので、若干下がっているのは調整がはいったというところなのでしょうか。

しかし、課徴金は、その性質は、独禁法違反行為によって得られた利益=不当利得を徴収するというもので、6%という額も、「法人企業統計の売上高利益率の平均値を参考にして定められた」(金井貴嗣「独占禁止法」)もので、利益率を前提に考えられています。

この6%というのも、平成3年改正によってでてきたものですが、当時、バブル末期(崩壊後?)の利益率平均であり、現在の不況下での利益率から比べると大きく、不当利得の徴収という性質から離れているという批判もあったようです。

これが、10%に上がるというということは、不当利得の徴収というよりも、制裁的意味合いが強くなり、独禁法違反行為への抑止(一般予防)を強化することが目的のようです。

2005年03月11日

●仮処分

ニッポン放送vsライブドアの裁判所での決定がとりあえずだされたようですね。

<11日の東京地裁決定 1>仮処分命令の要旨(NIKKEI.NET)
http://it.nikkei.co.jp/it/newssp/fuji_vs_livedoor.cfm?i=2005031107674ra

まぁ、ある程度は予想の範疇だったでしょうか。
ほとんどライブドア側の主張を認容していたのは意外でしたが。
差し止めを認めつつ、両者の意見それぞれに聴く部分があるという趣旨のものを想定していたので…

(仮処分命令をざっと読んで追記)
主立った論点に関しては、新聞記事を読まれたほうが「まし」だと思うので、余所様が書きそうにないところをば。

命令本文 第3 2(2)ア 第2段落

現経営陣の支配権を維持することを主要な目的として新株等の発行を行うことは、会社の執行機関にすぎない取締役が会社支配権の帰属を自ら決定するものであって原則として許されず、新株等の発行が許容されるのは、会社ひいては株主全体利益の保護の観点からこれを正当化する特段の事情がある場合に限られるというべきである(もっとも、このようにいうことは、公開会社が、あらかじめ敵対的買収者を想定して会社支配権の争奪の状況が発生する前に何らかの対抗策を設けることを否定する趣旨ではない。敵対的買収に備えて会社として事前にどのような措置を講ずることが許容されるのか、その内容、基準、社外取締役の関与、株主総会の承認など導入に際しての手順については、現在、有識者により様々な場において検討されているところであり、今後、議論が深化し、会社ひいては株主全体利益の保護の観点から公正で明確なルールが定められることが期待される。)。

個人的には、この部分が一番重要じゃないかと読んだ次第。
直接的には表現していないけれども、ニッポン放送側の買収に対する予防意識が欠如していたことを表していますし、攻め込まれてから鉄砲作っているようではおそいということで、対M&Aとしての企業予防法務の必要性も説いていますね。

これは、上場会社のみならず、閉鎖会社でも、社員(株主)間の諍いや、相続によって発生する持ち分の分割などへの対処まで考えることも重要です。
たとえば、実際に金銭を出資していない取締役がいても、形式的に取締役3名がそのまま持ち分平等の社員になるような有限会社のつくりかたはよくあることですが、そういった形式的な定款作成でなく、個人起業形態の会社においては、誰の利益を最優先するかを実質的に考えて定款作成から求められると思うのです。

2005年03月10日

●さおだけ屋

今日は、CALS/ECの話を聴きに、東京までいってきました。

その往復で、「「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」という本を読んだのですが、なかなかおもしろくて、ためになりました。

さおだけ屋、フランス料理店、割り勘など身近な例から、ゴーイング・コンサーン、連結会計、キャッシュフローなどを導き出し、数字を使わないで、「会計」の考え方を著している本です。

極端な話損得勘定などは単式簿記でもいいわけであって、複式簿記も損得勘定(足し算、引き算)の手段でしかないわけで、この本はそうしたことにとらわれず、会計というよりは会社経営の考え方の指標(筆者は「数字センス」といっていますが)を、著しています。

2005年03月09日

●アクセスログ

昨日、アクセスがすごかったようなので、アクセス解析をしてみました。

昨日一日でのアクセス↓
20050309.jpg

/kou/000386.htmlというエントリだけが668もアクセスされていますが、内容をみたら、フジのTOBの話なので、旬なだけにアクセスが集中したのかと…。
ただ、リンク元があまり特定できないし、トラックバックも飛んできていないので、増えたことの直接の原因が確定できないので、謎のままです。

ちなみに、「てんめい尽語」へのアクセスが、140ほどなので、本当に異様な数字ではあります。

2005年03月08日

●花粉症

今日は4月の陽気だったようで、暖かかったものの、花粉も大量に飛んでいたようです。

私も一昨年あたりから発症してしまったので、憂鬱な時をすごしております。
父はウコンを飲み続けていたら、なぜか症状がでなくなってしまったらしいんですが、ウコンってそんな効能あったんですかねぇ…。

ちょうど私が発症した年から、あまり症状がでなくなったんで、私に伝染(うつ)して、治ったもんだと冗談半分に主張しているんですが…(笑)。

フジのTOBが一応成立したらしいですね。
36.47%を取得したとのことで、今日のニュースはこれでもちきりでした。

とりあえず、第1ラウンド終了などといっていましたが、実のところどうなんでしょうか。
同時並行でいろいろと動いているので、なかなかわかりにくいものでもあります。

2005年03月07日

●権太坂プロジェクト

昨日の「サンデープロジェクト」で横浜市の中田市長の施政について特集を組んでやっておりました。

その中で公共工事改革ということで、保土ヶ谷の権太坂にある市有地の一部に市営住宅を建築し、残りの土地の利用については民間にゆだねるという手法をとったものでした。
土地利用だけでなく資金調達や運営などもすべて民間にゆだねるということで、PFI的手法をとっているものと思います。

そのコンペティションに参加する横浜市内の業者を追っていく形式をとった放送だったのですが、その会社は、保土ヶ谷宿をイメージしたスーパー銭湯を建築するという計画をたてていたのですが、銀行から300億円の融資を交渉しているのだが、難航しているという状況だという話でした。

惜しむらくは、建築資金を銀行へ頼るという手法が考えられていた点で、これをたとえば、スーパー銭湯を建築するのであれば、そうしたものを運営しているような会社へ資金提供や業務提携を依頼したり、ファンドの設立なども考えられたのではないかとも思うのですが、まだまだ直接金融の手法が浸透していないということなのでしょうか。

2005年03月06日

●リニモ

愛知万博へのアクセス、リニモが開通式(朝日新聞)

だそうです。
愛知万博へ着々と準備が進んでいるようです。

最高時速100kmがでるような話ですが、8.9kmを17分ということで、平均時速としては約30kmということになります。
山梨でおこなわれている実験線などと違って、やたらとゆっくりめのようです。

外見も、なんだか新交通システム(ゆりかもめ、横浜シーサイドラインなど)のような感じですね。
大昔に、大船-原宿(戸塚区)のドリーム交通が計画していたリニアもこんなものを想定していたのでしょうか…。

2005年03月05日

●株主優待

休みなので他愛もない話で。

本厚木までいって、「モーターサイクル・ダイアリーズ」と「オペラ座の怪人」をハシゴしてみてきました。

「モーターサイクル・ダイアリーズ」は、チェ・ゲバラの青春時代の話ですが、チェ・ゲバラ自身を知らなくても楽しめる映画だったと思います。
「オペラ座の怪人」は…まぁ、ミュージカルでした。今でも舞台がやられているということは、よい作品なんでしょうし、実際話はよくできています。

さてさて、なんで映画を観に厚木までいったかというと、「モーターサイクル・ダイアリーズ」は1週間限定でそこでしかやっていなかったというのもありますが(東京でもやっていたけどすでに公開終了)、劇場の株をもっている関係で、株主優待を使えば無料で観られるというのもあったりしたからです。

株主優待というのは、日本独特の株主に対するサービスのようですが、自社製品・サービスを株主にPRすることによって、株主をつなぎ止めておくような効果もあるといわれています。
(ただ、権利確定日直前になると優待目当てで株価が上昇する銘柄もあったりしますが)

優待制度自体は、配当性向の低さをごまかすためのものでしかなく、優待に費用を使うのでなく、しっかりと配当金として株主に還元すべきものだというような批判もあるようですが、私はよい制度なんじゃないかと思っています。
銘柄を選ぶ際の判断基準にもなりますし、投資の初心者にとっては優待目的で選ぶのも(あくまではじめのうちでは)よいのではないかと。

ただ、やはり優待に目がくらんでしまって、財務状況などを確認しないと痛い目をみることになりかねませんが…。

株主優待については、野村証券のページの1コーナーで詳しく説明してあります。
http://www.nomura.co.jp/retail/yutai/

2005年03月04日

●TOB条件

先日のTOB条件引き下げについてですが、
フジテレビ、「買付予定株式数」を25%超に引き下げ
ここの記事が詳しく説明してくれています。

この記事の結論でいうと、あながち違法ではない。ということのようです。

2005年03月03日

●会社法制の現代化に関する要綱

いつのまにやら(案)がとれて総会で答申としてだされ決定していたようです。
2月9日の決定ということで、そのあとに(案)をつけた状態で話をしていたというのはお恥ずかしいかぎりでございます。

http://www.moj.go.jp/SHINGI/050209-1-1.html

ざっと見渡したところ、(案)からまったくといっていいほど変更がないようです。
部会で決定したものを、総会で追認するだけななんでしょうが。

この後、内閣法制局あたりが法文を作成していくことになるのでしょうが、慎重に行ってもらいたいものです。

復習がわりに今回の「会社法」に関するおおざっぱな方向性は、
・有限会社制度の廃止 →物的会社を株式会社に統合
・合同会社(日本版LLC)制度の創設
・最低資本金制度の撤廃
・類似商号制度の廃止
・取締役、監査役の任期の変更(2年、4年→最長10年)
です。

続きを読む "会社法制の現代化に関する要綱"

2005年03月02日

●IRの「R」

IR(Investor Relations)=対投資家をはじめ、C(Customer)R=対顧客など、会社が営業する上で様々なステークホルダー(利害関係人)に対する関連情報の開示ということがさけばれて久しいものです。

しかし、最近、ライブドア問題、西武鉄道問題など株式会社の構造そのものが着目される経済問題が多く、こうした情報にも注目がいっていることと思います。

株式会社というのはご存じの通り、「経営と所有が分離した」会社形態であり、所有者の流動性が想定されているものですから、潜在的所有者(=投資家)などに対する情報というのは特に不可欠なもののはずなのですが、グループ会社による株式の持ち合いなどにより浮動株主が少なかったため、軽視されてきたのが現実です。
しかし、バブル崩壊以後の株の持ち合い解消や、「金融ビッグバン」の影響や、インターネットの普及による個人投資家の増加などにより、IRの必要性がやっとのことで認められてきたとのことです。

ただ、上場会社でも独自のWebpageをもっている会社はそのサイトでIR情報を公開しているところが多いのですが、財務諸表の公開のみで満足しているところも多く、積極的な公開を果たしているところは少数派という印象を受けます。

また、
有価証券報告書の訂正430社・東証上場企業の2割に(日経新聞・1/25)
などの記事からもわかるように、西武鉄道の虚偽記載がなければ、こうした訂正もありえなかったわけで、会社経営者の意識の低さがうかがえます。

今後、先述の問題から会社経営者の方々の意識が変わっていくことを期待するものですが…。

さて、話は変わって、最近CSR(Company Social Responsibility=企業の社会的責任)という言葉をよく耳にします。

CSR自体は、私は中世欧州の「ノブレス・オブリッジ」と同視しているわけで、つまりは現代におきかえれば企業規模と社会的・道義的責任は比例する(要は周囲の監視の目が多くなる)ものと考えられますが、これは大企業は中小企業に比べれば責任が増すのはCSRを持ち出さずとも当然のものですが、この言葉の出現によってこうした意識をもった会社のみが生き残っていくものと期待したいものです。

また、これとならんでIRやCRなどのRが、CSRに包摂され、今後、RelationからResponsibilityへ意識改革がされる必要があると感じています。
#意識がかわらなければただの言葉遊びな感じもしますが…。

ISO、コンプライアンス、CSR、コンサルティング会社の言葉遊びに踊らされているだけの気もしますが…。

2005年03月01日

●ヒルトン・リゾートアンドスパ

厚生労働省およびその外郭団体の無駄遣い&低廉譲渡の代表格ともいわれる元「スパウザ小田原」ですが、昨年2月よりヒルトンが運営していたところ、昨年12月までに2億円の利益をあげられたという記事がありました。

ヒルトンホテルの売り上げ20億円余/小田原
http://www.kanalog.jp/news/local/entry_2692.html

私自身は、スパウザ時代は何度か利用したことがあるのですが、ヒルトン小田原となったあとはまだいっていません。

スパウザ時代の売上高や利益率、ホテル事業の平均的利益率などはしりませんが、開業1年目で利益率1割ならばそれなりによい数字じゃないんでしょうか。

それにしても、

建物は市が所有し、ヒルトン社は年間売り上げの12・5%か四億三千万円のいずれか高い方を賃料として支払う五年契約を結んでいる。

とのことで、8億円で買った小田原市としては、2年で元がとれてしまうわけでよいのですが、ヒルトンが利益をあげるためには、ざっと計算して、約35億以上の売り上げ+12.5%以上の利益率を達成しなくてはいけなくなるのですが、はたして実現可能なんでしょうか。
他人事ながら心配なものであります。

今年、4月のグランドオープン以後、9ヶ月で売上20億+利益2億を達成しているので、あながち不可能な数字じゃないんでしょうが…。

ところで、2月の当サイト(事務所全体)のアクセス数が、2670(1日平均95.4)でした。
サイトリニューアルの効果なんかもあったのでしょうか。
おそらく平日平均では、100は超えているでしょうが、今後は、土休日も含めた単純平均で、100を超えられる月がでるように努力です。

とりあえず、メールフォームつくらな…。