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2006年05月10日

●1人取締役で代表取締役?

さてまたまた会社法ネタです。
同業者のメーリングリストで話題になっているのですが、取締役会非設置会社で、1人しか取締役を置かない場合でも、代表取締役を設置することができるというのです。

取締役会非設置会社は、今までの有限会社に組織がにているのですが、

有限会社法
第27条 
1 取締役ハ会社ヲ代表ス
2 取締役数人アルトキハ各自会社ヲ代表ス
3 前項ノ規定ハ定款若ハ社員総会ノ決議ヲ以テ会社ヲ代表スベキ取締役ヲ定メ、数人ノ取締役ガ共同シテ会社ヲ代表スベキコトヲ定メ又ハ定款ノ規定ニ基キ取締役ノ互選ヲ以テ会社ヲ代表スベキ取締役ヲ定ムルコトヲ妨ゲズ

となっており、第3項で2人以上いる場合(第2項)に限り、代表取締役を定めることができるとなっています。
対して、会社法では

会社法
(株式会社の代表)
第349条  取締役は、株式会社を代表する。ただし、他に代表取締役その他株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
2  前項本文の取締役が二人以上ある場合には、取締役は、各自、株式会社を代表する。
3  株式会社(取締役会設置会社を除く。)は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選又は株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。
4  代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
5  前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

となっており、3項に「前項の場合」(取締役が二人以上ある場合)という言葉が抜けており、それが根拠となるようです。
実際、それが認められるかどうかはともかくとして、「1人しか取締役がいない場合でも、代表取締役を設置することができる」ということで大意は決せられているようです。

会社を代表する者として「代表取締役」=「社長」というイメージがありすぎて、1人取締役で会社の代表権を持つ者の肩書きが「取締役」だったことに違和感を感ずる人が多かったのは確かですが、取締役が1人しかいない会社において、その会社を代表する者はその取締役においてほかはなく、それ以外に、わざわざ代表取締役の設置を認めるというのは、法的には何ら意味をなさないものだと思われます。

そういった巷間のイメージにおもねった法体系では、法的安定を得られるとは正直思えません。

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