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2007年06月08日

●コンプライアンスとモラル

最近話題のコムスン問題から。

厚生労働省がコムスン運営の事業所について、指定居宅サービス事業者の新規指定および更新を行わないとしたことに対して、コムスンのグッドウィルグループは関連会社(日本シルバー社)に事業譲渡して、事業を継続するという対抗措置にでました。
これに対して、和歌山県知事は、関連会社からの申請を受理しない考えを示したり、厚生労働省も事業譲渡を中止するようにグッドウィルグループ側に求めるように働きかけをはじめた。
との報道がなされています。

2007/06/07-23:49 グループ内の譲渡「凍結」指導=コムスンに撤回迫る-厚労省(
時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007060701094
コムスン「脱法認めぬ」 都道府県、怒りと困惑(朝日新聞)
http://www.asahi.com/life/update/0608/TKY200706080005.html
コムスン事業 グループ会社に譲渡 親会社のグッドウィル『処分逃れ』批判も(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2007060702022287.html

ここでちょっと気になったので、介護保険法を調べてみました。
指定居宅サービス事業者の指定については、介護保険法第70条に規定されており、許可の欠格要件も決まっています。(法第70条第2項)

他の法律の許可要件と似たり寄ったりな印象を受けたのですが、主立ったものは

一.法人であること
二.知識、技能を有した人員を配していること
三.法令で定める基準に従って運営できると認められていること
四.禁錮以上の刑を受けていないこと
五.関係法令により罰金刑を受けていないこと
六.指定を取り消されてから五年以内でないこと。(指定を取り消される前60日以内に取り消された会社の役員であったものが役員にいないこと)
七.指定取消の処分のための聴聞の通知がなされて以後に事業廃止の届出を出した者においては、廃止届出より五年を経過していること
九.申請前五年以内に居宅サービスに関し不正または著しく不当な行為をしていないこと

などがあります。

今後、コムスンは更新されないことにより、「取消」と同義ととられ、六号の欠格要件にあたってくることと思われますが、事業譲渡先のシルバー社とは役員が重複していないため、シルバー社は欠格要件にあたっていないため、申請すれば指定がおりるであろうといわれており、大騒ぎになっているわけです。

これをコンプライアンス=法令遵守という言葉を字義的にみていると、もちろん今回の発端になったコムスンの不正受給は法令違反ではありますが、この事業譲渡手続きに関しては、何ら法令に反しているものではなく、コンプライアンスが守られていることになります。
ただ、そこになんらかの違和感を感じるのは、法令を遵守していたとしても、世間一般のモラル(倫理)に反しているととらえられているからかと思われます。

まさに痛し痒しはこの点で、事業譲渡に関しても、グループ内の事業移転のため、営業の自由云々をいわれてしまっては、それ以上強いこともいえず、厚生労働省が凍結を求めているのも、強制力のない「行政指導」でしかありません。

おそらくは、三号や九号の欠格要件にあてはまるとして、取り下げを求めていくことになるかと思いますが、どうなることやらまだ予測がつきません。

「法の抜け穴」として批判があがっているようなので、許可要件を厳しくしようとする動きもでてくるかと思いますが、他のまじめな事業者の営業が阻害されないことだけを祈るばかりです。

(関連項目)
wikipedia「コンプライアンス」:「コンプライアンスとモラル」

「法令遵守」が日本を滅ぼす
郷原 信郎
新潮社 (2007/01/16)
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