IR(Investor Relations)=対投資家をはじめ、C(Customer)R=対顧客など、会社が営業する上で様々なステークホルダー(利害関係人)に対する関連情報の開示ということがさけばれて久しいものです。
しかし、最近、ライブドア問題、西武鉄道問題など株式会社の構造そのものが着目される経済問題が多く、こうした情報にも注目がいっていることと思います。
株式会社というのはご存じの通り、「経営と所有が分離した」会社形態であり、所有者の流動性が想定されているものですから、潜在的所有者(=投資家)などに対する情報というのは特に不可欠なもののはずなのですが、グループ会社による株式の持ち合いなどにより浮動株主が少なかったため、軽視されてきたのが現実です。
しかし、バブル崩壊以後の株の持ち合い解消や、「金融ビッグバン」の影響や、インターネットの普及による個人投資家の増加などにより、IRの必要性がやっとのことで認められてきたとのことです。
ただ、上場会社でも独自のWebpageをもっている会社はそのサイトでIR情報を公開しているところが多いのですが、財務諸表の公開のみで満足しているところも多く、積極的な公開を果たしているところは少数派という印象を受けます。
また、
有価証券報告書の訂正430社・東証上場企業の2割に(日経新聞・1/25)
などの記事からもわかるように、西武鉄道の虚偽記載がなければ、こうした訂正もありえなかったわけで、会社経営者の意識の低さがうかがえます。
今後、先述の問題から会社経営者の方々の意識が変わっていくことを期待するものですが…。
さて、話は変わって、最近CSR(Company Social Responsibility=企業の社会的責任)という言葉をよく耳にします。
CSR自体は、私は中世欧州の「ノブレス・オブリッジ」と同視しているわけで、つまりは現代におきかえれば企業規模と社会的・道義的責任は比例する(要は周囲の監視の目が多くなる)ものと考えられますが、これは大企業は中小企業に比べれば責任が増すのはCSRを持ち出さずとも当然のものですが、この言葉の出現によってこうした意識をもった会社のみが生き残っていくものと期待したいものです。
また、これとならんでIRやCRなどのRが、CSRに包摂され、今後、RelationからResponsibilityへ意識改革がされる必要があると感じています。
#意識がかわらなければただの言葉遊びな感じもしますが…。
ISO、コンプライアンス、CSR、コンサルティング会社の言葉遊びに踊らされているだけの気もしますが…。