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mail magazine   Ozeki-Letter    2003.6.27 【第4号】
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小田原支部の小関です。

 今年の梅雨は、本当に“梅雨らしい”天気が続きますねぇ。
 
 今週は、昨日木曜日に日行連の総会が開催されました。
 日行連も又、選挙で新しい執行部が出来ました。私は、まだ情報をもっていませんが。。。^^;

 現在のような予見不能な“クライシスの時代”のリーダーは、『知らなかった』ではすまされない重大な責任を負っているのだという自覚が不可欠なのです。

 もちろん一人ですべてを知るなどと言うことは“神様”でもない限り不可能なことです。しかし、きちんとした時代認識に基づいて世の中の事象を見ることによって、その方向性はわかると私は思っています。

今回の総会で選任された日行連新執行部には、従来型の思考から脱却し、“地を這って考える”リーダーの出現を期待したいものです。

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【プロフェッションになろう】(4)

       〜“専門家責任”って何?〜

 前回話したような“挨拶状”などで自分の存在を知ってもらう努力をしていると“問い合わせ”や“相談”が来るようになってくるわけだけど、そのときが、はじめの“勝負所”なんだ。

 前にも書いたように、依頼をしてくれる人たちは、君が新人であろうがなかろうがそんなこととは関係なく“プロ”だからという前提で業務を依頼してくれるんだ。ということをしっかり考えよう。

 例え、それが君の身内の紹介であっても、前職での知り合いであったとしてもその前提は変わらないのだという認識を持って欲しいと思うのですよ。

 依頼が来たら、その業務に自信がない限り、その場での即答はなるべく避けて、一夜漬けでもいいからその業務に関する専門書をしっかり読んだ上で依頼者に対応することがベターなんだ。

 つまり、依頼者は、行政書士を専門家として捉えて全面的な信頼をしてくれているわけで、その信頼に応えなければならないという責務が私達行政書士の側にはあるのだということ。それが“専門家責任”なんだ。

 だからこそ、“専門家”として落ち度のないようにするために、依頼者の要求を現実にするために必要な基本的な情報・知識をあらかじめもって対応する必要があるわけだよね。

 もし、これを軽視して、自分の勝手な考え方で依頼者に対応し、あとで、それが間違っていた場合、依頼者に不測の損害を与えてしまう可能性があり、それを賠償しなければならないことになったらどうするのかをいつも考えていなければならないのが専門職業人なんだ。

 専門家が、依頼者の信頼を裏切って行動した場合、素人である依頼者との間には、その専門性(知識・情報)において大きな力の差があるので、依頼者が自分の権利を確保することが困難になるであろうと一般的に考えられているので、“専門家責任”を重く捉えて行動する必要があるということを是非、理解して欲しいと思うのです。

 といっても、何も萎縮する必要はないわけで、きちんと業務内容を把握して、堂々と依頼者に説明をしてもらいたいと思うのです。
 私達行政書士が業務をしていく上で一番大事なこと。それは“依頼者からの信頼”を得るということなのです。    (つづく)

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【予防法務研究】『企業予防法務』の基本(2) 

           〜契約書の効用を考える〜

 “企業予防法務”の中心的課題は、なんといっても、商取引から生ずる“クレーム”の処理です。

 クレームが発生したときにどう処理をするのかは企業のゴーイング・コンサーン(継続性)の確保にとって重要です。

 企業の商取引上のクレームやトラブルは、ほとんどの場合、契約書がなかったばっかりに発生しているのが実態です。

 契約の殆どは、『諾成』(当事者の合意)によって成立し、効力を生ずるので、いわゆる口約束のまま取引を開始し、業務を完遂してしまった後にクレームが発生してくると、契約内容の相互確認が出来ず、互いの言い分だけを言い合うこととなり、トラブルに発展することになります。

 従って、『諾成契約』といえども、トラブルを未然に防止し、発生するクレームに適正な対応をするためには、契約書を作成することが重要なのです。

 例えば、良く話題になる“欠陥住宅”問題も契約書がきちんと作成されていない場合が多いようです。
 契約書が適正に作成されていれば、請負業者も荒っぽい手抜きや仕様書と違った材料を使ったりするようなあとで紛争になれば必ず負けるようなバカなことは出来ないはずです。

「契約書の効用」は、(1)契約内容が相互に確認できる。(2)当事者の権利を守るための証拠となる。 (3)キャンセル(解除など)に対抗できる。という消極的な効用と共に (4)紛争の未然防止に繋がる抑止力がある。 (5)特約条項の設定が出来る。という積極的な効用があります。

私達行政書士は、企業経営者に、積極的に“契約書の効用”を説明すると共に、適正な契約をするためのアドバイスをしながらクレーム処理にも積極的に関わり、クライアント企業のゴーイング・コンサーンを確保するための活動を展開しなければならないと考えます。

その為には、『法律知識+マネジメント(財務を含む)+戦略的思考』を身につけなければなりません。
                        (つづく)
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コーヒーブレイク(*^_^*)

【ことばの解説】

             〜共有地の悲劇〜

 「共有地の悲劇」とは、集団のメンバー全員がそれぞれ自発的に協力的な行動をすればすべてのメンバーにとって良い結果になることがわかっているのに、個々のメンバーがそれぞれ自分にとって合理的な行動をとろうとすると、結果として誰もが不利な状況に陥ることとなるという、一つの典型的な社会状況を表した言葉です。

『中世のある村で、牧草地が入会地として村民全員で共有されていた。が、中に不心得なものが自分の羊を何匹もつれてきて牧草を食べさせた。それを見て、他の羊飼いも競って羊をたくさん連れてきてそこで牧草をたらふく食べさせるようになり、結果として、みんなの財産である共有地はすっかり荒れ果ててしまった。』という逸話に基づいて“共有地の悲劇”という言葉が出来たとされています。

 逆説的にいえば、集団=組織の中で、みんなでやらなければならないことを「誰かがやってくれるだろう。」と思えば、結局誰も何もしない。という現象が起こる“良くあること”も、共有地の悲劇なのです。

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【行政書士法を読む】・・・・・・・・・(4)

 行政書士法第1条が、以下のように整備されたのは、平成13年6月の改正(平成14年7月施行)によってです。

「この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、 行政に関する手続きの円滑な実施に寄与し、あわせて、国民の利便に資す ることを目的とする。」

 改正された部分は、「あわせて」という文言が挿入されたということです。

 これによって、行政書士の社会的使命(存在理由)が、「行政に関する手続きの円滑な実施に寄与」することと「あわせて」、「国民の利便に資すること」のふたつに明確化されたということになります。

 この「あわせて」という文言の挿入の意義に関して、総務省自治行政局行政課の二瓶博昭氏は、「『あわせて』と記載することにより、行政書士法は『行政に関する手続の円滑な実施に寄与』することとあわせて、『国民の利便に資すること』を目的としていることをあらためて明確化したものである。つまりこの規定の整備は、私人間の権利義務や事実証明に関する書類の作成についても、行政書士が大きな役割を担っていることをあらためて明示したものといえる。」

 として、この間の改正の意義を明らかにしています。

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※ この連載は、全国建設関係行政書士協議会(全国建行協)での
 友人である岡山県の“行政書士八尾信一氏”の提供です。

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【今週の一言】

“○○先生は、許認可だから”という言い方を時々耳にします。

「許認可」と「権利義務」を対峙させて議論をする風潮が一部にありますが、これは、「許認可」に関する量的な側面だけに注目しているもので、「許認可」申請というのは、「入り口」の部分であり、そこを切り口にその規制対象業種の業態の中に入れば、その業務の中身は「権利義務」に密接に関係しているというのが“現場”の実感です。

たとえば、業許可を受託したことによって、依頼者の経営に深い関わりを持つと通常の会社法務に加えM&Aや分社化、或いは事業承継(相続)に関する相談や業に関わる様々な契約や債権の保全、回収等の法律行為、果ては現在の時代環境の中で法的整理や民事再生に関する業務などが様々に発生してきます。このことは、様々な業許可に関する業務にも共通です。

従って、「許・認可」を中心にしている行政書士は、「権利義務」(民事・商事)に疎いなどいうことは実務上では言えないのです。
ですから、どこを切り口にして国民の法的支援のニーズに応えていくのかということであって、共に行政書士の主要な業務である「許認可」と「権利義務」を分断するような議論は、建設的なものとは言えません。

このことは、私が“緊急施策マニフェスト”で訴えたことですが、あまり、浸透はしなかったようです。しかし、これは、行政書士会の団結をはかる上で大切な議論だと考えています。
そこで、改めてこの場でも訴えていきたいと思います。

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【Ozeki-Letter】            2003.6.27【第4号】
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【発行人】行政書士 小関典明(小田原支部会員)
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