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mail magazine   Ozeki-Letter     2003.9.5 【第14号】
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小田原支部の小関です。

 今週初めは、いきなり夏に逆戻りで暑かったですねぇ。体調の維
持が大変です。

先週の全国建行協横浜総会は、盛会のうちに無事に終了しました。
トークイントーク、懇親会に参加をいただいた皆さん、本当にあり
がとうございました。

 11月1日(土)に小田原支部の研修会を『予防法務を考える』
というテーマで開催する予定になりました。
 そのころには、このメルマガも20号を超えているので、その機
会に『予防法務研究会』を立ち上げてみたいと考えています。
 具体的には、又の機会にお知らせしますが、『予防法務』という
業務分野を確立するために一緒に頑張ってみようという意欲のある
方は、是非参加をしていただきたいと思います(ちょっと遠いので
すが。。。)。11月1日の支部研修会・『研究会』に参加してみ
ようという方は私宛にメールを下さるようお願い致します。
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【プロフェッションになろう】

   〜新たなプロフェッションの形を考えよう(7)〜

 前回は、《ゼロベース思考》を解説してみました。この《ゼロベ
ース思考》を実践するためには、『顧客にとっての価値を考える』
と言うことが基本であることを是非、理解してもらいたいと思うの
です。

 今回は、次の《仮説思考》について考えてみたいと思います。
 《仮説思考》とは、限られた時間、限られた情報しかなくとも、
必ずその時点での結論を持ち、実行に移すと言うことです。
 とにかく早く結論を出して、早く実行に移す。そして、その結論
を早く検証して次のステップにつなげていくことが重要です。
 つまり、P(プラン・計画)→D(ドゥ・行動)→C(チェック
・検証)→A(アクション・実施)のサイクルを自分自身の思考の
中で“早く”回すと言うことなのです。

 これからの“情報会社会・脳化社会”の中では、このスピードが
命運を分けます。時間をかけて綿密に調査・分析をして計画を立て
ることよりも、ざっくり、おおざっぱでも良いから短時間であるレ
ベルの結論を出して検証可能なドゥに結びつけることが必要なので
す。

 この場合、“ベスト”でなくとも“ベター”で良いという割り切
りが必要なのですが、変化の激しい時代にあっては、検証を重ねて
いる間に前提条件がどんどん変わってしまう可能性を否定できない
ので、“より早く”を追求しなければならないのです。

 この《仮説思考》を実践していく上でのポイントは、
● アクションに結びつく結論を常に持つ→結論の仮説
  最初は、当てずっぽうでもよいから“こうすればこうなる”と
 いう結論を出す。乱暴なようですが、何がなんでも結論を出すこ
 とが仮説思考の始まりなのです。
● 結論に導く背後の理由やメカニズムを考える→理由の仮説
  「何がなんでもその時点での結論」を持とうとすると、その問
 題の背景にはどういうメカニズムが働いているか、どういう枠組
 みで問題を考えるのか、なぜそう言う枠組みでとらえたのかとい
 う理由を自然と考えるようになります。それによって、軌道修正
 が可能になり、その枠組みの中での要を押さえることが出来ます
 。
● 「ベスト」より「ベター」を考える→スピードの重視
  解決できる可能性を必ず頭の片隅に残しながら、ベターな解決
 策が見えたらすぐに実行に移してみることが重要。ベストな策は
 追いかければ追いかけるほど時間もかかるし、行き詰まるという
 リスクが大きくなることが多い。

 これまで説明した《ゼロベース思考》も《仮説思考》も戦略的問
題解決手法の一つです。私が、なぜここで、このような戦略的思考
を持つことの必要性を訴えたいかというと、私たちは、今という情
報化社会への時代の変化の中にあって“新たな行政書士像”を創造
し、その担い手として発展していかなければならないと考えるから
なのです。

 従来型のまま思考では、制度そのものが瓦解してしまう可能性を
否定出来ないことは誰の目に明らかだと思います。だからこそ、戦
略的な思考を持って未来を創れるプロフェッションとしての行政書
士が必要なのです。
                         (つづく)
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【予防法務研究】『企業予防法務』の基本(11)

    〜平成13・14年商法改正のポイント〜

 企業の予防法務を考える上で、商法の改正情報は重要です。
 特に商法改正ビックバンと言われる平成13年の四次に亘る改正
及び14年の改正は、企業経営をめぐる環境の急激な変化に対応し
ようとしたものですので、その背景も含めて理解しておく必要があ
ります。

 “何を今更”と思われる方もいらっしゃるとは思いますが、おさ
らいも含めておつき合い下さい。

 13年の第1回目の改正は、同年6月22日に成立し、10月1
日より施行されています。
 主な改正項目は、
@自己株式取得の自由化
 中小零細企業の経営者は、いわゆる“金庫株”で相続税の納税資
 金を捻出し、議決権のない金庫株を増やして経営支配権を維持で
 きる。
A株式単位の自由化(1株5万円の廃止)
 株式単位は、各社の資金調達上の便宜、株式管理コストなどを考
 慮して自由に決めるものであり、商法で規制するべきではないと
 言うことで撤廃した。
B法定準備金制度の緩和
 利益準備金は、資本準備金の額と合わせて4分の1に達するまで
 積み立てればよいこととなった。

 13年の2回目の改正は、同年11月21日に成立し、14年4
月1日より施行されました。
 主な改正骨子は、
@株式譲渡制限会社の新株発行の際の“4倍規制”を撤廃した。
A種類株式
B新株予約権
C会社関係書類等の電子化
 が、あげられる。

 3回目の改正は、13年12月5日に成立し、14年5月1日か
ら施行されています。
 主な改正骨子は、
@監査役制度の強化、任期が延長された。
A取締役の責任軽減、損害賠償額が軽減された。
B株主代表訴訟制度の見直し。
 考慮期間が30日から60日に延長された。

 4回目の改正は、14年5月29日に成立し、15年4月1日よ
り施行されています。
 主な改正骨子は、
@株券失効制度の創設等の株式制度の改正。
A委員会設置会社の創設等の会社機関の改正。
B現物出資等の財産価格の証明制度等の会社計算の改正。
                        (つづく)
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コーヒーブレイク(*^_^*)
【言葉の解説】

      〜スループット会計〜

 TOC(制約条件の理論)で利用する管理会計手法。時間あたり
のキャッシュを最大化するのに適した考え方を取り入れている。
 製品別の採算性評価などに用いられている。

 TOC(制約条件の理論)を考案したエリヤコフ・ゴールドラッ
ト博士は「原価計算は、生産性の最大の敵である」と主張し、キャ
ッシュフローを最大化する意志決定に適した会計手法は原価計算で
はなく、「スループット会計」だという論理を展開しています。

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【行政書士法を読む】・・・・・・・・・・(14)

行政書士の業務に関する歴史的な経緯についてのお話ですが・・・

 大正九年の『代書人規則(内務省令)』によれば、その第1条に
、「本令ニ於テ代書人ト称スルハ他ノ法令ニ依ラスシテ他人ノ嘱託
ヲ受ケ官公署ニ提出スヘキ書類其ノ他権利義務又ハ事実証明ニ関ス
ル書類ノ作製ヲ業トスル者ヲ謂フ」

 となり、今日の行政書士法とほとんど変りません。なんと現在の
行政書士法はその業務に関する規定を83年前の条文をほとんどそ
のまま引き継いでいることになるのです。

 ところが、太平洋戦争敗北後は、昭和ニ十二年に新憲法の施行に
よって上記の内務省令が失効してしまいます。

 その関係で、代書人に関する規定は白紙状態になり、地方自治体
がそれぞれに「行政書士条例」を作って対応する時代となります。

 例えば、昭和二十三年の東京都行政書士条例では、その第1条に
行政書士の業務を以下のように定めています。

 「この条例で行政書士というのは他人の嘱託を受け官公署に提出
する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類の作製を行とす
る者をいう。但し法令に定めのあるものはこの限りではない、」
(ここでは、「報酬を得て」という文言がないことも重要です。)

 行政書士条例については未制定の自治体も多く、また全国的な法
制化を求める声もあって、昭和二十六年に制定の運びとなったのは
、みなさんご案内の通りです。

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※ この連載は、全国建設関係行政書士協議会(全国建行協)での
 友人である岡山県の“行政書士八尾信一氏”の提供です。

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【今週の一言】 9/2(火曜日)の“てんめい尽語”から

当事務所で定期購読している税務研究会の“スタッフアドバイザー
”の今月号に『中小会社会計基準の制度の定着に向け、日税連が着
々と対応』という記事があります。

それによると、日本税理士会連合会は、昨年12月に『中小会社会
計基準研究会報告書』をとりまとめて発表した。とあり、日本公認
会計士協会も『中小会社の会計のあり方に関する研究報告』をまと
めて今年の4月に公表したようです。

両方の『報告書』を是非読んでみたいと思うのですが、両方のサイ
トからダウンロードをしたところ日税連の報告書は、A4.11ページ
ほどですが、公認会計士協会の方は46ページというボリュームな
のでゆっくり読んでみたいと思います。

問題は、日行連が、これに関してなんの反応も示していないことに
あります。『会計業務』は、行政書士、公認会計士、税理士の競合
業務となっており、多くの行政書士がこの会計業務に取り組んでい
ます。私たち行政書士の扱う『会計』は、一般的な商業会計ではな
く、企業会計原則に準拠し、各業法等の法令に基づく『業会計』の
分野であり、許認可業務を切り口として各業態・経営に密接に関連
したものです。

特に『経営事項審査制度』を持つ建設業会計の分野では、経営事項
審査に必要な経営状況分析の基礎となる財務諸表の“監査制度”の
創設を求める動きが出ている中で、そこに関われる専門家の中に行
政書士が認識されていない現状があります。

これから展開されていく新たな社会システムの中では、“会計”は
非常に重要な位置づけになるといわれています。
これまで、中小企業の会計は、その閉鎖性の高い特質から経営情報
としての役割よりも、必要最小限、税務申告をしなければならない
という必要性から課税所得計算をすることを目的とした税務会計が
主流となってきました。

しかし、デフレ不況下でしかも、今後いわゆる“右肩上がり”の成
長が見込めない今、本来の目的である経営情報としての会計が必要
とされており、しかも、それは業態にあった会計基準に準拠するこ
とが求められているのです。私たち行政書士は、ここに携わること
の出来る専門家としての地位を築いていかなければなりません。

そのためにも、日行連が、全国の英知を結集して“研究会”を創り
、“中小零細企業のための会計基準とその運用”についての意見を
まとめて公表するべきであると強く思うのです。まだまだこれから
の議論であり、決して遅くはありません

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【Ozeki-Letter】            2003.9.5【 第14 】
(引用転載の制限はまったくございません。ただし、本文中第三者
の方からの提供による引用転載部分については、除きます。)

なお、このメルマガのバックナンバーは、下記をご覧ください。
   http://tenmei.pos.to/mail-magazine/index.html

【発行人】行政書士 小関典明(小田原支部会員)
     HP URL  http://tenmei.pos.to/
     e-mail ozeki-n@gyosei.or.jp
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