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mail magazine   Ozeki-Letter    2003.9.19 【第16号】
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小田原支部の小関です。

 ようやっと、朝晩の涼しさが増し、この週末からは秋めいた陽気になるようですね。やっと、ホッと出来そうです。

 私が、このメールマガジンを発信しているのは、自己満足のためでも、売名のためでもありません。行政書士が行政書士として、新たに展開していく“情報化社会”という社会システムの中で、生き残り、発展していくために必要であると考えていることを発信したいと考え、少しでも多くの会員の皆さんに理解をしていただきたいと思うからに他なりません。

 シリーズ化している【プロフェッションになろう】は、少し難解な部分にさしかかってきましたが、私たち行政書士が、プロとして、市民・国民の皆さんの問題解決にあたるための基本的な考え方なので、是非頑張って理解を深めて欲しいと思います。 なるべく、平易な言葉で、分かり易くを心がけて書いていきます
ので、よろしくお願いします。

11月1日(土)の小田原支部研修会+予防法務研究会立ち上げ準備会は、平塚支部との合同で開催することとなりました。詳細は、後日お知らせします。県内どこからでも参加自由ですので、ので、是非、ご参加ください。
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【プロフェッションになろう】

   〜新たなプロフェッションの形を考えよう(9)〜

 前回は、ヒエラルキー・ソリューションについて書きました。
 工業化社会の終焉と共にこのヒエラルキーソリューションでは、問題解決が出来なくなり、そこでグローバリゼーションの拡大と共に台頭してきたのが、マーケット・ソリューションという考え方です。

 このマーケットソリューションという考え方は、『新古典資本主義学派』という経済学派の提示する考え方で、すべての問題解決を『市場』に委ねようという考え方です。

 今の小泉内閣の政策は、竹中経済財政相がこの新古典資本主義学派の学者なので、まさに、このマーケット・ソリューションに基づいた展開となっているのです。
 その施策は、この景気低迷に対する判断が『消費が低迷しているのは、造る側、売る側の価格が高いからだ。もっと競争をして、良いものを安く売る努力をしなければならない。』という論理に基づいているわけで、市場競争をさせることによって、優勝劣敗の環境をつくり、強いもの(企業が)勝ち残れば問題解決になると考えるわけです。
 そのために、“不良債権処理”ということで、弱い企業を市場から退出させることに力を注いでいるのです。

 この考え方は、グローバル経済の中での国際競争力という観点からは有効なのですが(と言うよりは、グローバル経済の中では標準となっている。)、ローカルな地域経済には、大変な打撃となっているのです。よって、中小零細企業や市民生活にとっては、何ら問題の解決に寄与しないばかりか、逆に問題をさらに深刻にしてしまう方向性をもっているので、閉塞感が増しているのです。

 では、これからの社会の中での有効な問題解決手法は、ないのでしょうか?
 そこで、近年注目をされている考え方が、東京大学の金子郁容教授が提唱する“コミュニティ・ソリューション”という考え方です。
                         (つづく)
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【予防法務研究】『企業予防法務』の基本(13)

        〜株主代表訴訟に備える(2)〜

 中小企業経営者の中には、「株主代表訴訟などは、中小企業には関係ないし、合ったとしても、同族や社員株主から訴えを起こされることなどあり得ない。」と考えている人が多いようです。 だから、安易に利益が出ても「配当などしない。」と勝手に決めて、大きな内部留保を作っているケースもあります。
 これまでは、それでも通用してきましたし、半ばそれが当たり前のようになってきた嫌いがあります。

 しかし、名目株主は別にして、実際に資本を投下している株主にとっては、当然に配当を受ける権利を主張することは可能であり、同族や、社員株主が無配当或いは、経営の悪化による無配転落の責任を株主代表訴訟で追及してくる可能性は絶無ではありませんし、今後(現に起きてきていますが)、この手の訴訟が増えていくものと思われます。

 そのようなリーガルリスクを回避するために、前回「代表訴訟回避の三原則」を紹介しましたが、もう少し詳しく説明をしてみたいと思います。

 第1原則 基本理念を確立すること

 会社役員は、中小企業といえども“会社は、株主のものである”という基本理念を確立する必要があります。
 “株主のもの”という基本理念が確立できれば、取締役は、常に“すべての株主の利益”になるよう行動しなければならないということが理解できてくるはずです。

 第2原則 経営と法律を一体化すること
 この“経営と法律の一体化”という言葉は、“予防法務”に詳しい弁護士の大矢息夫氏の提唱しているもので、「代表取締役その他の取締役が、企業経営における重要な決定、つまり、政策決定を行うにあたり、常に経営判断と法律判断を同時に処理するというセオリーである。」ということです。
 つまり、経営判断をするときに、常に法的に問題はないかどうかを意識している必要があるということなのです。これは、単に「株主代表訴訟を回避する」ということだけではなく、これから拡大をしていく“自己責任社会”の中での経営の基本としての“コンプライアンス(遵法)”を実践するということなのです。

 第3原則 法規部署を強化、又は、日常的につきあえる
      法務コンサルタントを活用すること。
 中小・零細企業に法規部署が存在していることはまれであり、実際そんな余裕がないのが実情です。勢い、社長が、すべてを判断するということになるわけですが、社長といえども、法律知識に精通しているとは限りません。
 しかし、これからの“自己責任社会”にあっては、企業予防法務としてのクレーム処理は、きわめて重要な位置づけとなりますし、コンプライアンス経営が求められる中にあっては、法律問題を処理できる担当者は、必須となります。
 とはいえ、専門知識を持った担当者を置くことは、困難であろうと思われます。そこで、予防法務の専門知識を持った行政書士が法務コンサルタントして日常的にバックアップをする必要があるわけです。
                        (つづく)
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コーヒーブレイク(*^_^*)
【言葉の解説】
        〜今週はお休み〜
             
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   何を書くのかが決まりませんでした。次号をお楽しみに!
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【お奨め本のご紹介】
私の愛読書を紹介しています。参考にしていただければ幸甚です。
Books tenmei:http://tenmei.pos.to/book/books.htm
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【行政書士法を読む】・・・・・・・・・・(16)

 行政書士法第2条は、「資格」に関する規定です。つまり、どういう人が「行政書士の資格を有する者」となるのか、についての規定です。

 勿論、ここでいう「人」とは、自然人である個人を指しています。
(今後近い将来において、行政書士事務所の法人化という改正が行われるまでは、ここでいう「人」は自然人たる個人に限られます。)

 行政書士の資格を有する者となるために、本条は、六つの場合を列挙しています。しかし、行政書士の資格を有すると認められる場合はもう一つあります。

 それは、本法附則第2項該当者(行政書士法ができる前から一定年数以上行政書士業務を行っていた者)です。

 行政書士であるためには、以上七つのうちの一に該当していなくてはなりません。その七つの場合を以下に列挙します。

 1.行政書士試験に合格した者。
 2.弁護士となる資格を有する者。
 3.弁理士となる資格を有する者。
 4.公認会計士となる資格を有する者。
 5.税理士となる資格を有する者。
 6.行政事務経験者。
 7.本法附則第2項該当者。

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※ この連載は、全国建設関係行政書士協議会(全国建行協)での
 友人である岡山県の“行政書士八尾信一氏”の提供です。
    現在、今年度改正行政書士法の解説を連載中です。
       http://www.ab.wakwak.com/~sigyo/
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【今週の一言】 

行政書士の能力担保を社会的な評価を得られる形で作る取り組みに関する興味深い情報に接しましたので、ご紹介したいと思います。

大阪府行政書士会では、先々週の金曜日から来年2月までの長期にわたり、本格的な知的財産法研修が行なわれているそうです。

講師陣は、生駒正文名古屋産業大学教授をはじめとする、以下の図書の執筆陣のようです。
http://www.saganoshoin.co.jp/houritu/isbn4-7823-0344-0.htm
(「目で学ぶ知的財産法」 生駒正文他著 嵯峨野書院)

一定以上の出席率を満たした上で、考査において一定以上の成績を修めた者でなければ、認定書の授与がされないというハードな研修でありながら、驚くべきことに、大阪会の約1割にあたる200人以上の行政書士が、この研修に参加しているとのことです。

情報の発信者の方は、

『以上の経緯から、近いうちに、知財法の本格的な専門知識・実務技術をもった、行政書士が大量発生することになります。(少なくとも大阪会では、来年2月に会員の約1割が知財法の専門知識を有する行政書士となるわけです。)』

と、豪語されています。今、我々が学ばなければいけないのは、この“戦略性”なのです。“戦略なき行き当たりばったりの施策”を繰り返していたのでは、何も解決できないのです。

司法書士会をはじめとする他士業団体や日行連傘下の各単会の中でも、きわめて高い戦略性をもって社会的に能力を評価されるための研修システムの構築が始まっています。

このことは、新しい社会システムの中で生き残るためには、新たな社会環境での有用性を認められる存在とならなければならないという強い危機感の表れであると考えられます。

今日は、前回書いた、本会の『憲法講演会』の開催日です。
敢えて再度、『現執行部の方々に、今の時代の変化に注目し、危機感を持って戦略を立てて、なすべきことを的確にやってもらいたい。』と強く申し上げたいと思うのです。
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    【Ozeki-Letter】            2003.9.19【 第16号 】
   (引用転載の制限はまったくございません。ただし、本文中第三者
   の方からの提供による引用転載部分については、除きます。)

   なお、このメルマガのバックナンバーは、下記をご覧ください。
       http://tenmei.pos.to/mail-magazine/index.html

    【発行人】行政書士 小関典明(小田原支部会員)
            HP URL  http://tenmei.pos.to/
            e-mail ozeki-n@gyosei.or.jp
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