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mail magazine   Ozeki-Letter      2004.4.30【第48号】
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小田原支部の小関です。
 今週は、ゴールデンウィークの始まりの金曜日の発行ということ
になり、お休みに入っている事務所も多いことと思います。
 私も明日からゆっくり休んで日頃の疲れを癒したいと思います。
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【業務実践講座】        D 

    〜行政書士の専門家責任をどうとらえるか〜

 これまで、1号代理権に関する業務の流れを説明してきました。
それは、官公署に提出する書類の作成=許認可申請等の行政手続に
関する業務が行政書士業務の主要な柱となっており、この業務の流
れを説明することによって、行政書士の専門家としての義務と責任
を明らかにしていきたいと考えたからに他なりません。
 とかく、行政書士は、これもできる、あれもできるということは
大声で言うのですが、その業務の中でどのような責任を負っている
のかについては、ほとんど説明をしてきませんでした。
 しかし、これから拡大していく“情報化社会”の中で市民社会か
らの“信用と信頼”を獲得していくためには、自分たちが専門家と
してどのような義務を履行し、どのような責任を負っているのかを
説明することが、不可避的に重要なのだということを是非理解して
いただきたいと思うのです。
 そして、同時に今後私たち行政書士がその有用性を認知され、事
務所経営を維持していくためには、市民社会からの“信用と信頼”
を獲得するしか道がないのだという信念を共有していただきたいと
心から願っています。

●1号代理権に係る業務における行政書士の義務と責任

依頼者と行政書士との間の契約の性質については、前述したように
様々な構成が可能です。しかし、「相談・調査・書類作成・申請代
理という業務が事務処理の根幹をなしている以上、行政書士は受任
者として善管注意義務(民644)を負うことに異論はないであろう。
これは、個々の業務遂行の際、平均的一般の行政書士に要求される
注意をもって行動しなければならないと言うことである。」(『専
門家責任の理論と実際』新日本法規出版刊 山川一陽、根田正樹共
著 P165)

上記善管注意義務は当然のこととして、前述した業務遂行過程との
関係で整序すると、許可等の申請に至るまでに行政書士の負うべき
義務としては、許可・届出等の申請に必要な要件や基準の説明をな
し、当該申請に必要な書類を指示し持参するよう促すべき義務、申
請必要書類保管義務、申請必要書類の原本性、真正などの調査確認
義務、申請人の本人性及び許可等申請意思の確認義務、さらには、
説明・報告義務などが考えられます。

 ここでは、賠償責任保険に係る賠償責任の範囲を論じる必要はな
いので、詳細な検討は避けることとしますが、法定代理権(行政書
士法第19条にかからない非独占業務であるとはいえ、法律上明記さ
れた代理権)という行政書士の社会的地位の向上に不可欠な権利を
獲得したことによって生じる専門家としての義務なのです。この義
務を回避するために代行のままでよいなどという議論は、権利だけ
を主張し義務を履行しない身勝手なものであり、到底社会には受け
入れられないであろうと思います。
                          (続く)
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【改正行政書士法を読む】・・・・・・・(16)

 改正行政書士法第十三条の十五は、「特定業務の取扱い」に関す
る規定です。

 「特定業務」を行うことを目的とする行政書士法人は、当該「特
定業務」に係る特定社員が「常駐」していない事務所では、当該「
特定業務」を取り扱うことはできません。

 「特定業務」とは、本法第十三条の六に規定がある通り、「総務
省令で定める業務のうち、その業務を行うことの出来る行政書士に
法令上の制限があるもの」をいいます。

 具体的には、一部の社労関係業務や申請取次ぎを指すと考えられ
ています。

 このような「特定業務」を行政書士法人として行うためには、そ
うした「特定業務」を行うことができる社員がその事務所に常駐し
ていることを義務づけたのがこの条文です。

 この「社員の常駐」ということに関する定義は、今後の行政書士
法人の活動を考えるうえでは、なかなか難しい問題をはらんでいま
す。
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※この連載は、全国建設関係行政書士協議会(全国建行協)での
 友人である岡山県の“行政書士八尾信一氏”の提供です。
  現在、妹尾、寺見、八尾の3氏で毎日情報発信中です。
    http://park17.wakwak.com/~sigyo/framepage1.htm
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【今週の一言】 4/28(水)の『てんめい尽語』から
             http://www.ozeki-office.com/jingo/
【止まらない自己責任議論】

昨日の参議院予算委員会で自民党柏村議員の口から「人質事件の被
害者は“反日分子”である」という言葉が飛び出し、さらに“公務
執行妨害的”であるという発言もあったという報道がなされ、今朝
のテレ朝“モーニング”に当の本人がでていましたので、思わず聴
いてしまいました。

しかし、彼の議論は、ほとんど正確な状況を把握していない憶測に
基づくもので、この自己責任議論に便乗した売名的なものであると
いう印象を強く持ちました。何という不見識。こんな議員がいるこ
とに強い嫌悪感を感じますし、“参議院は、良識の府”などという
言葉が空疎に思い出されます。

それにしても、今回の“自己責任”の議論は、何かが違う、問題の
すり替えがあると思えます。要するに、人質事件の犯人グループが
、声明を出して“自衛隊の撤退”を迫り、人質の命に対する危機を
回避するために必死の思いで家族が発した「自衛隊に撤退してほし
い」という言葉が、政府の琴線に触れたのでしょう。。。。

もし、被害者の「自己責任」をいうのであれば、人質救出のために
日本政府が何をし、どんな効果があったのかを明らかにするととも
に、その費用対効果を具体的に検証しなければならないと思うので
す。特に、逢沢一郎外務副大臣がなぜイラクに入らずアンマンにと
どまっていたのか、そしてそこで何をしていたのかに関する情報は
公開されるべきであると思います。

今提起されている「自己責任」問題は、今回のイラク人質事件だけ
にとどまらず、今この国の方向性として議論され太い流れとなりつ
つある「事後救済社会」の拡大によって我々国民一人一人に問われ
てくる「自己責任」と決して無縁の議論ではないのです。それどこ
ろが、これまで曖昧な概念のもとに使われてきた「自己責任」とい
う言葉の意味が「行政による費用の求償を伴う責任」という風に概
念された場合、この社会がどのような影響を受けるのかについてき
ちんと考える必要があるのだと思うのです。
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【Ozeki-Letter】            2004.4.30【 第48号 】
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【発行人】行政書士 小関典明(小田原支部会員)
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