************************************************************ mail magazine Ozeki-Letter 2004.5.28【第52号】 ************************************************************ 小田原支部の小関です。 26日の本会定時総会では、久々に多くの皆さんとお会いするこ とができ、懇親会やその後の二次会の場で楽しいひとときを過ごす ことができました。皆さんに感謝です。 それにしても、初めて見る顔が多く、新入会員の皆さんが増えて いることを実感してきました。今後、この会がどのように進化して いくのかが楽しみになりました。多くの新人の皆さんが行政書士と して立派に成長していただきたいと、心からそう思います。 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 【業務実践講座】 H 〜行政書士の代理権について〜 2.1号代理権の検討 まず、法第1条の3第1号の「行政書士が作成することが出来る 書類を官公署に提出する手続を代理すること」(以下、1号代理権 という。)という条文をどう読むかですが、この解釈を巡り、「意 思代理」なのか「事実行為の代理」なのかについて行政書士の中で 意見が分かれています。 条文を素直に読むと「申請手続代理」と言うことになるのですが 、これまで、行政書士の法定代理業務はなかったので、判例がある わけはなく、また、行政法などでも行政手続一般の代理に関する学 説はほとんどないのが現実なので、ここでは、隣接法律専門職であ る司法書士の登記申請代理に関する判例・学説を中心に検討を進め ることとします。 「意思代理」であると主張される議論の論拠となっているのは、 『公法上の代理も「代理人の意思表示(法律行為)の法律効果が本 人に直接帰属すること」である点においては私法上の代理と同一で ある。』(行政書士とうきょう増刊号 2003.9P10)という考え方な のですが、この点では、行政手続の代理において民法第108条の 双方代理を禁止していないことに注目する必要があります。 この双方代理を巡る判例としては、司法書士の登記申請代理に関 する双方代理を認めた@大判昭和19年2月4日の判決及びA最判 昭和43年3月8日の判決があり、その判旨は、@ 仮に右双方代 理の事実有りとするも元来登記申請は法律行為にあらず而も登記義 務者にとりては義務の履行に他ならざるが故に右の代理行為は、民 法第百八条の規定に違反することなくその双方代理なるの故を持っ て無効となることなきものとす。 (大判昭和19年2月4日民集23-42) A 登記申請行為は、国家機関たる登記所に対し一定内容の登記を 要求する公法上の行為であって、民法にいわゆる法律行為ではなく 、また、すでに効力を発生した権利変動につき法定の公示を申請す る行為であり、登記義務者にとっては義務の履行にすぎず、登記申 請が代理人によってなされる場合にも代理人によって新たな利害関 係が創造されるものでないのであるから、登記申請について同一人 が登記権利者、登記義務者双方の代理人となっても、民法第108 条本条並びにその法意に違反するものではなく双方代理のゆえをも って無効となるものではないと解すべきである。 (最判43.3.民集22-3-540) というものです。 学説は、@登記申請は公法上の非訟行為であって私法上の法律行為 に関する民法108条の当然の適用はない。とするもの、A登記申 請行為にも民法108条は適用されるが、登記申請者間に対立を欠 くから、同条但し書きに該当する。と説くもの、B登記申請は、私 法上の行為でもなくまた法律行為でもないから形式的に民法第10 8条の適用はない。と説くものなどがあります。 登記申請と一般の許認可申請とをまったく同一に扱うことは出来な いと考えられますが、「行政機関たる公務所に対し一定の行政処分 を請求する公法上の行為」という点においては同様の性格を有する ものであり、その限りにおいては、申請手続代理は、「私法上の代 理と同一」ではないと解するべきであると考えられます。 (続く) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【改正行政書士法を読む】・・・・・・・(18) (前回からの続き) 行政書士法人の解散についてです。前回に触れた六つの事由以外 に、次の事由により行政書士法人は解散します。 7.社員が一人になり、そのなった日から6ケ月を経過しても、社 員が二人以上 にならなかった場合は、その6ケ月を経過した時に解散します。 行政書士法人は、合併以外の事由で解散した場合は、解散の日か らニ週間以内に主たる事務所の所在地の行政書士会を経由して日行 連に解散を届け出なければなりません。 改正行政書士法第十三条の十九は、「合併」に関する規定です。 行政書士法人は、総社員の同意があるときは、合併することがで きます。当然のことながら、これは合併する双方の行政書士法人の 総社員でなければなりません。 合併は、合併後存続する行政書士法人又は合併によって設立され た行政書士法人の主たる事務所の所在地において登記することによ って、成立します。 また、行政書士法人は合併後二週間以内に、その旨を主たる事務 所の所在地の行政書士会を経由して日行連に届け出なければなりま せん。 −−−−−♪♪♪−−−−−♪♪♪−−−−−♪♪♪−−−− ※この連載は、全国建設関係行政書士協議会(全国建行協)での 友人である岡山県の“行政書士八尾信一氏”の提供です。 現在、妹尾、寺見、八尾の3氏で毎日情報発信中です。 http://park17.wakwak.com/~sigyo/framepage1.htm ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【今週の一言】 5/27(木)の『てんめい尽語』から http://www.ozeki-office.com/jingo/ 【行政書士の地域ボランティア】 昨日の神奈川県行政書士会の総会は、質問書の提出も少なく平穏の うちに終了しました。 出た質問の中に地域住民に対するボランティア活動の必要性を訴え るものがありました。市民社会との信頼の構築の一助として必要な 事かもしれないと思われます。 友人である広島の支部長さんの話でも、そこの支部では、道路清掃 のボランティア活動に参加をし、その清掃区間に県費で看板を立て てもらえるそうで、広報に役立っていると言うことでした。昨日の 質問者の言われるように、団塊の世代の公務員退職者がこれから急 激に増加し、行政書士会に入会してくる人も当然増加するであろう ことを考えれば、その方々のお力を行政書士として地域ボランティ アに貢献していただくことも有意義なことかもしれません。 もちろん、行政書士は地域に密着した専門家としてその専門性を向 上させることによって市民社会との信用と信頼を構築することが必 要であることは言うまでもありませんが、地域社会の中で行政書士 がボランティアとして活動し、市民の皆さんにより親しみを持って いただくことも必要なのだと思うのです。 いずれにしても、当分の間会員数の増加傾向は収まらないものと思 えます。増加する会員の皆さんに会がどう応えていくのかが、今後 大きな課題となりそうです。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 【Ozeki-Letter】 2004.5.28【 第52号 】 (引用転載の制限はまったくございません。ただし、本文中第三者 の方からの提供による引用転載部分については、除きます。) なお、このメルマガのバックナンバーは、下記をご覧ください。 http://www.ozeki-office.com/mail-magazine/index.html 【発行人】行政書士 小関典明(小田原支部会員) HP URL http://www.ozeki-office.com/ e-mail ozeki-n@gyosei.or.jp ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ もし、当方からのメールがご迷惑な場合はお手数ですが、このメー ルの返信にて【配信中止】の旨をお書きになり送信して頂きますよ うお願い申し上げます。また、皆さんの周りに購読を希望される方 がおられましたら私宛に『購読希望』のメールをいただけるようお 知らせ頂ければ幸甚に存じます。 |