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mail magazine   Ozeki-Letter    2004.6.4【第53号】
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小田原支部の小関です。
 いよいよ来週にはちょっと早めの梅雨入りをしてしまようです。
 今週月曜日には、軒並み30度を超える真夏日になったと思った
ら、翌日には10℃以上低くなるという気候の変動の大きさには驚
きました。体調の管理が大変ですねぇ^^;
 これから梅雨の不安定な気候が続きます。体調管理に万全を期し
てご自愛ください。
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【業務実践講座】        I 

       〜行政書士の代理権について〜
−前回からの続きです。−

 では私法上の法律行為の代理でないとすればどう考えるべきかに
ついては興味深い議論があります。
それは、「昭和30年度農事調停裁判官小作主事協議会要録」とい
うものです。以下、その中の議論を引用することとします。

―――引用始め―――
議長 (省略)11問・・・農地法第3条第1項の所有権移転をし
ようとする当事者双方が第三者に許可申請行為を委任して受委者か
ら申請が行われた場合は民法第108条の双方代理として却下すべ
きではないか。
(途中省略)
最高裁西裁判官 この代理の趣旨が、本来の法律行為の代理で、意
思決定そのものを代理人の判断に委ねるという趣旨でございますと
、これはやはり公法上の申請行為について代理を認めることは無理
だろうと思います。ただ本人の意思決定の結果を手続上の問題とし
て代理させる、つまり、事実行為についての代理というようなこと
であれば、農地法は本来合同行為的な意味も含めて連署を要求して
いるわけで、そういうふうな記載とか手続の関係でもつて同一人に
手続を依頼するというようなことは、百八条の問題にしなくてもい
ゝと考えます。
−−−−引用終わり−−−

ここで、「事実行為の代理」という言葉が使われていますが、この
考え方が「本人の申請意思決定の結果を手続上の問題として代理」
することを意味するもので、行政が「申請手続代理」を理解する上
での通説となっているようです。

 以上の点から、行政書士法第1条3第1号の代理権を考察すると
、この代理権は、「申請手続代理」であり、行政書士は、依頼者で
ある申請人の許認可申請意思の決定に基づいて法1条の2による書
類作成を行い、その書類の提出という公法上の事実行為を本人に代
わって行うことになります。従って、現段階ではこの代理は「意思
代理」ではなく「事実行為の代理」と解するべきであると考えられ
ます。

 ただし、行政手続は手続の簡素化や規制緩和による自己責任の拡
大或いは電子化によってそのあり方が大きく変わろうとしている中
で、それに対応して行政書士の業務形態も変化をしていくのであり
ましょうし、又、今後行政書士の代理権を巡る判例や行政実例が生
まれることも考えられるので、この「事実行為の代理」という概念
を固定的に捉えるのではなく、さらに議論を深めていかなければな
らないと考えます。
                          (続く)
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【改正行政書士法を読む】・・・・・・・(18)

 改正行政書士法の第六章は、「監督」に関するものです。

 この章も、行政書士法人の新設とからんでかなり変更がありまし
た。
 まず、行政書士に対する懲戒と同じく行政書士法人に対する懲戒
ができたということが大きな変更です。

 行政書士に対する懲戒に関しては、改正行政書士法第十四条にお
いて、従来は二種類であった処分が、「戒告」が増えて次のように
三種類になりました。

 一 戒告
 ニ 一年以内の業務の停止
 三 業務の禁止

 旧法においてはこの処分に関する手続に関する規定が、旧第十四
条の第2項から同第4項に規定されていましたが、それは、改正行
政書士法第十四条の三の第三項以下に移動しました。

 行政書士法人に関する懲戒は、改正第十四条のニです。

 法人に対する懲戒の事由に関しては、個人行政書士と異なる点が
あります。それは、「運営が著しく不当と認められるとき」もまた
処分の対象となることです。

 処分の内容もまた、以下の通り、個人行政書士とは異なります。

 一 戒告
 ニ 一年以内の業務の全部又は一部の停止
 三 解散

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※この連載は、全国建設関係行政書士協議会(全国建行協)での
 友人である岡山県の“行政書士八尾信一氏”の提供です。
  現在、妹尾、寺見、八尾の3氏で毎日情報発信中です。
    http://park17.wakwak.com/~sigyo/framepage1.htm
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【今週の一言】 6/1(火)の『てんめい尽語』から
             http://www.ozeki-office.com/jingo/
【e-japan重点計画-2004】

来年度に向けて着々と新たな社会システムが構築されつつあるとい
う思いから、先月発表になった“e-japan重点計画-2004”をダウン
ロードして読んでみました。

“e-japan重点計画-2004”は、A4で193ページという膨大なも
ので、読みでがあるものですが、かなりの検討がされていることを
伺わせる文章で、「2005年に世界最先端のIT国家となる」た
めにしゃかりきになっていることがつたわってきます。

−引用開始−
2001年に決定された「e−japan戦略」では、IT革命の
意義を次のようにとらえている。IT革命は産業革命に匹敵する歴
史的大転換を社会にもたらすものであり、産業革命が世界を農業か
ら工業社会に移行させたように、情報通信技術の活用は、情報流通
の費用と時間を劇的に低下させ、密度の高い情報のやり取りを容易
にし、また人の空間的な移動を減らし、世界規模での急激かつ大幅
な社会経済構造の変化を生じさせるものである。このような意義を
ふまえ、IT革命の実現に向けて過去3年半にわたり、官民をあげ
て集中的な取り組みを行った。その結果、地域網の解放等の公正競
争政策や民間の積極的な新規参入、料金引き下げ努力などにより、
「高速・超高速インターネットの利用可能環境整備」の目標を早期
に達成し、また、通信料金は世界的にも最も安価な水準になるとと
もに、通信速度も世界トップクラスのサービスを提供するまでにな
った。インターネット人口普及率も60%を超えた。行政手続きの
オンライン化の実施、公的個人認証基盤、納税の電子化の運用開始
など、IT利活用の面における基盤整備も進みつつある。
−引用終わり−

読み進める中で、目を引いたのが、「e−文書イニシアティブ」の
項目でしたが、まさに、日常の法律生活の中に電子文書が入ってく
るわけで、この部分で、多くの国民にとって、社会が変わることが
実感されるのかもしれません。
いずれにしても、来年、2005年度には、大きな節目がやってき
ます。そこから時代が今よりもさらにダイナミックに動き始めるの
だと思っています。私たち国民は、この動きをいち早く察知して様
々に発生してくる問題やリスクに立ち向かわなければなりません。
もはや、この流れは変えようもなく、これに対応できなければ、デ
ジタルデバイドに陥ることは必至だと思われます。そうならないた
めに、今年なにをするのかが重要なのだと思うのです。
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【Ozeki-Letter】            2004.6.4【 第53号 】
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【発行人】行政書士 小関典明(小田原支部会員)
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