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mail magazine   Ozeki-Letter    2004.11.5 【第75号】
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小田原支部の小関です。
 いよいよ明日は、予防法務研修+オフ会です。
 オフ会の申込をいただいた皆さん、ありがとうございます。
 明日お会いできることを楽しみにしております。
 
 充実した研修と楽しいオフ会になるよう頑張ってみたいと思いま
す。
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【業務実践講座】                   
        〜契約公正証書の活用について〜
          (小田原支部研修会から)

 公証役場といえば、定款の認証や契約公正証書の作成などで私た
ち行政書士にとっては馴染みのあるところですが、公証人制度につ
いてはあまり知られていないというのが実状だと思います。
 そこで、小田原支部では10月30日に平塚公証役場の小林域泰
公証人(中央大学大学院兼任講師)を講師に招請し、研修会を実施
しましたのでその内容をいただいた資料から簡単に紹介してみたい
と思います。

○公正証書作成の利点
(1) 作成のメリット
@ 紛争予防上のメリット
 @ 文書化された証拠を残すこと自体のメリット
 A 証拠としての作成経過、内容の明確性と正確性が担保されて
  いる。
A 紛争解決上のメリット
 @執行力
 ・ 金銭の一定の額の支払いまたはその他の代替物もしくは有価
  証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作
  成した公正証書で、強制執行認諾条項(文言)があるものを執
  行証書といい、執行文の付与を受けて強制執行が可能となる。
 ・ 訴訟提起前の和解条項を債務名義化することによって、裁判
  に要する時間と費用を省くことができる。
 ・ 強制執行を受けるという心理的圧迫によって任意履行を促す
  こととなる。
 ・要件
  T 債務の特定性(金銭換価できるもの)
  U 債務の一定性
  V 支払いの約束

※ 日本の公証制度は、金銭換価ができるものに限って執行力を認
 めているが、欧州(大陸法)では、家屋の明け渡しなどの事実行
 為についても執行力を認めている。日本公証人連合会では、法務
 省に対して執行力の範囲の拡大を求めているそうです。

 A証明力
  裁判上の証明文書としての有利な取り扱い(真正に成立した公
 文書の推定・民訴324条)を受ける。
  厳格な手続きを踏み、内容を吟味して作成している。

(2)各種の公正証書
1 法律行為に関する証書
@財産関係の証書
 金銭消費貸借(準消費貸借、債務弁済)契約、売買契約、贈与契
 約、不動産賃貸借契約、使用貸借契約、請負契約、委任契約、債
 権譲渡・債務引受契約、営業譲渡契約等
A身分関係の証書
 遺言、離婚給付、扶養、子の認知、遺産分割協議等
B法律上、公正証書によることが要件とされているもの
 ・事業用借地権設定契約
 ・任意後見契約
 ・規約設定(建物の区分所有等に関する法律)
 ・企業担保設定・変更契約
 要件ではないが、書面によることが必要とされているもの
 ・定期借地権設定契約
 ・定期建物賃貸借契約
2 その他私権に係わる事実に関する証書
 ・銀行の貸金庫の開披・移設に関する証書
 ・発明品等の形状、作用・効果等知的財産権の証拠保全に関する
  証書(対象物の確認、保存等特許紛争予防)
 ・人の生死に関する証書(安楽死の宣誓等)
 ・弁済提供目撃証書
 ・家屋明け渡し完了状況に関する証書
 ・土地境界の現場確認証書

※ 契約ではないが遺言については、現在、公証人連合会が運営す
 る「遺言検索システム」が稼働しており、公正証書遺言が作成さ
 れていれば、全国どこの公証役場であっても検索できるようにな
 っており、その検索によって、作成・保存公証役場の特定、作成
 年月日等の確認が可能だそうです。ただし、内容の確認は保存し
 てある公証役場でしかできません。
                          (続く)
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【今週の一言】 11/1(月)の『てんめい尽語』から
             http://www.ozeki-office.com/blog/

【公証人も大変ですねぇ。】
土曜日の支部研修会は、20名の参加を得て無事に終了することが
できました。講師をお願いした平塚公証役場の小林公証人は、さす
がに中央大学大学院の兼任講師というだけあってわかりやすい説明
で、日頃あまり馴染みのない公証人の業務や契約公正証書の活用事
例などについて沢山の情報をいただきました。感謝です。

公証人は、裁判官、検察官、地方法務局長の経験者が法務大臣の命
によって職務に就く自由業で、業務の内容は準公務員的なものなの
ですが、あくまで個人の小規模事業主なので、仕事のない地方では
なかなか公証役場はできないということで、全国に550人しかい
ないそうです。神奈川県内では、15の公証役場があり、公証人は
32名だそうです。

法的には、公証人の資格試験を行うことになっているのですが、一
度も試験は実施されていないことが国会で問題なったそうで、それ
を受けて法務省が試験の準備をしたのですが、結局受験者が不合格
となり幻となったようです。試験内容が厳しすぎるということもあ
るようですが、なんだか検察官や裁判官の退官後の受け皿になって
いるという印象は否めませんですねぇ。

業務件数の推移についても言及しておられましたが、昭和48年の
61万件もあった金銭消費貸借契約公正証書の作成が、平成元年に
は9万7千件、昨年(平成15年)には3万6千件まで激減してい
るとのことで、債務確認弁済契約公正証書や公正証書遺言が増加し
ているとのことでした。特に債務確認弁済契約公正証書は、最近の
経済情勢を反映して急激に増えているので、昨年実績の公正証書作
成では1番多かったそうです。が、仕事は相対的にかなり減ってい
るということでした。

定款認証などの認証業務の数字は示されませんでしたが、日頃我々
行政書士が最も係わる定款認証などを見ていると公証人の業務は法
律で強制されているので、黙っていても仕事は来るし、公証人本人
は署名をするだけの楽で確実な仕事に見え、羨ましく思ったもので
したが、実際にはかなり事務所(公証役場)経営は大変なようです

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【Ozeki-Letter】            2004.11.5 【第75号】
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【発行人】 行政書士法人 小 関 事 務 所
     代表社員 小関典明(小田原支部会員)
     HP URL  http://www.ozeki-office.com/
      e-mail ozeki-n@gyosei.or.jp
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