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2005.05.16

人事を問う

今朝の小田原は雲一つない快晴。すがすがしい天気です。久しぶりに富士山の姿をちゃんと見たような気がします。
一昨日の支部総会は無事に終了し、私は、支部長を退任して本会の役員に復帰することになりました。支部推薦理事ということになりましたが、現在進行中の本会会長選挙の結果によっては、他の役職ということもあり得るので、一応、補欠人事の承認も併せて決議を頂きました。
現在進行中の今回の会長選挙ですが、選挙のことよりもその後の執行部人事の方がずっと気になります。有力候補は4人とされていますが、候補者一人一人がそれなりに個性的な皆さんではありますが、誰が会長になるにせよ支えとなる副会長や部長の人事によってその成果のあり方が大きく変わってしまうものだと思うのです。
2年前、選挙に勝った現会長の場合は、「自分は何も知らなかった。」といいながら徹底した「論功行賞人事」を行い、結果、それまである程度進んでいた執行部内のIT化による情報共有は頓挫してしまい、事業として確定していた「文書管理システム」だけが企画開発部の副部長と事務局長の手によってなんとか形になったという状況になってしまいました。IT化は、システムありきではなく、組織文化としての情報共有、共通理解を醸成しなければ結局形だけのIT化になってしまい、組織の改革、執行組織や個々の会員の意識改革には繋がらないということの実証にはなったと思いますが、その分時代を押し戻してしまったのではないかと思っています。
全候補者が、IT化を言っていますが、情報化社会、IT革命の本質を理解しているとは思えません。司法制度改革や行政の簡素化、規制緩和の流れもIT革命によるグローバル化の中で起こっているのであり、工業化社会から情報化社会へという社会全体の枠組みが大きく変化しているということの本質的な理解がなければ、IT化は単なる電子化であり、行政書士にとっては「電子申請」だけが重要課題であるということになってしまうのです。
この社会全体のパラダイムシフトに対応していくためには。少なくとも執行部の全員がインターネット接続環境を持ち、常時ネットを通じて情報を共有できるという前提をつくる必要があるのだと考えています。つまり、今回の立候補者は、そのことを前提にした人事を実施する必要があるのです。もちろん適材適所、組織内の人的資源を有効に活用しなければならないのですが、これからの情報化社会の中では、情報を資源として活用できる人材が不可欠であり、その人材の間で“情報相互作用”をつくり出し、そこから共通理解による心理的共振を生み出すことによって成果を上げることが重要なのです。

2005.05.13

事務局機能について一言

今日も曇りです。日中は所々で雨の予報なので、傘が必要なようです。
今日は、行政書士会の事務局機能検討特別委員会に出席のため横浜行きです。ついでに住宅保全協会の入札参加資格登録や宅建免許変更届の申請などの仕事もしてきます。
事務局機能については、議論はほぼ出尽くしていると思うのですが、問題は、むしろ執行組織側の認識や意識レベルの問題に帰するような気がしています。今回の会長選挙の候補者の一人がその所信表明で、事務局改革をあげて「会員のための事務局」という考えを強調していますが、事務局は、個々の会員の奉仕者として存在しているのではなく、会の継続的な日常事務を処理することによって執行組織を補佐し、その活動を通じて会員全体に寄与するためにある組織という位置づけであると考えています。
最近「事務局の態度が冷たくなった。」とか「事務局の態度が横柄だ。」といった意見を耳にすることがあります。これらは、率直な感想として出てきているので、決して軽視は出来ません。しかし、その原因となるのが、執行組織と事務局の間の関係が不正常であることの表れであると見ることも出来ます。事務局職員も人間であり、人間関係や職場環境に左右されるのはしかたのないことだと思うのです。もちろん、会組織にとってのカスタマー(顧客)は会員であり、顧客満足度を上げるために各部署が努力するのは当たり前のことで、事務局と雖も会員個々に不快感を与えるような言動は慎むべきであることはいうまでもありません。
事務局の機能をアップし円滑な会務の執行を実現するためには、執行組織と事務局の信頼関係を確立することが不可欠なのだと思います。ちょっとした「ご苦労様」という一言や「有り難う」という心のこもった一言が事務局職員のモチベーションを高める要素であることを役員、そして会員一人一人が理解をしなければならないと思うのです。
「おまえらは我々の奉仕者なのだからいうことを聴け」とか、「頼まれたら何でも素直にやるのが当たり前」などという認識では信頼関係を醸成する風土など生まれてこないのは当たり前なのです。事務局機能を高めるためにシステムの整備の必要性は否定できませんが、それ以上に会の執行組織の中での事務局に対する正しい認識の確立とそれに基づく行動の実践が何より大切なことであると考えています。

2005.05.12

会長選挙公報

今日の小田原は曇り。でも時折日が差しています。予報では気温がぐ〜んと下がるといっていましたが、それほどではありません。
昨日選挙公報がこないと書いたら、その午後に来ました。
神奈川県行政書士会会長選挙の立候補者は5人。一人は平成15年入会の新人で、ほとんど名前も知らないので、この人には大変失礼ではありますが、実質は4人ということだと思われます。
選挙公報を読んでみると、総じて、今の時代認識をどうとらえているのかがよくわからないという印象で、皆さん、とってつけたようにIT化や組織改革、ADR対応は当たり前と書いています。しかし、「情報化社会」という表現はなく、新たな社会システムにパラダイムシフトをしているという認識はないように見えます。
また、業務については、誰も「契約代理」に関してなにも書いていないことが不思議でなりません。3月に行われたADR関係の研修会でも講師の糠谷弁護士が「行政書士の専門家性を明らかにするために「契約代理」を業務として確立すること」が必要である旨の話をされていたようなのですが、そのこと関心を向ける候補者がいないことは本当に残念です。
気になったことを一点だけ書くと、5人中二人が会費の値下げを訴えています。これは、単に受けを狙ったものなのか、実際に実行をするつもりなのかは未知数ですが、業務をやっていない会員、まだ仕事の少ない会員にとっては、美味しい話に見えることは確実であろうと思われます。
しかし、ここ数年会員数は行政書士バブルと表現されるほど劇的に増加をしてきましたが、これから法科大学院の卒業生が社会に出て「大競争時代」に突入していくと、会員数が減少に転ずることは予想に難くありません。今、会員の急増による入会金・会費収入がかなりあるとは言え、それは将来に向かって組織の維持に備える基金的な積み立てをしなければならないと考えます。
また、今後「大競争時代」の中で制度を維持し、会員個々の経営を維持していくために必要な環境をつくっていくことが会組織の重大な役割となります。そのためには、それなりの費用(投資)が必要であることは論を待ちません。安易な会費の値下げは必ず将来に禍根を残すことになると思うのです。「会費の値下げ」だけが一人歩きをして選挙結果が左右されるなどということがないようにしてほしいものです。

2005.05.11

あれこれ。。。

今日の小田原は曇り、時折雨がぱらつくらしいです。気温も少し低めのようです。
連休後、事務所が本格稼働に入って3日目です。徐々に忙しさが増してきています。県と県内32市町村の共同運営による入札参加資格認定申請の電子化への対応(データ入力・添付書類の収集・印取り)、日常の業務への対応、突発的な相談や問い合わせへの対応など事務所全体がバタバタとしています。この状態が当分は続くようです。
特に、入札参加資格認定申請については、その後の「電子入札」を睨んで、「自分でやる」といっていた業者の皆さんが、結局「よくわからない」ということで依頼してくるパターンが増え始めています。確かに、県の作成した説明書や申請プログラムのマニュアルでは解らないことが多すぎてしまい、申請者のやる気をそいでしまっているのだと思うのです。
まぁ、事務所としては営業的にはありがたいことなのですが、だんだん受付期間の終期である5月末が近づいてきますので、あまり押し詰まってからだとかなりきつい作業を強いられることとなるので、申請を依頼するかどうかの判断はなるべく早めにお願いしたいものです。
今日は、午後から管工事組合の理事会で経審の説明をしてほしいという依頼があったので、営業もかねて説明に行ってきますです。
ところで、行政書士会の会長選挙ですが、いまだに選挙公報が届かないので、各候補者の政策がよく見えてきません。昨日発送したようなので今日、明日には届くものと思いますが、噂だけが先行する選挙になっているような気がしています。日本海側のある県では、神奈川会のような総会会場での直接選挙ではなく、事前に全会員に投票用紙を配り、総会前に回収できた分を総会の場で開票するという方式をとっているそうです。全会員の意思を反映することと総会に参加できない会員が多い現状では有効な方法かもしれません。

2005.05.10

総合評価方式への見直し提案

今日ははっきりしない天気ですが、日差しはあります。暖かい朝です。北海道では雪が降るという話ですが、、、
昨日のASAHIネットニュースで、全国建設業協会が、入札の「総合評価方式への見直し提案」を発表したという記事がありました。4月から施行されている「品確法」でも総合評価方式を取り入れる方向付けをしているのですが、まだまだ「価格のみの競争」から脱却できないでいる公共発注者が多いという現状をふまえての提案なのでしょう。
提案の中に、発注そのものを行政に任せるのではなく、業者選定を含む発注事務を行う第三者機関をつくるべきだというものがあります。私もこれまで第三者機関による発注をするべきだという主張をしてきたので、大賛成ではあります。
しかし、全建の提案では、「審査にあたる第三者機関のメンバーには、発注者、業界団体双方の技術者に加え、警察、公認会計士、弁護士、学識経験者らを想定。」となっているようなので、そこに建設関係業務を行う行政書士を是非とも入れてほしいと思うのです。その思いから、全国建行協のMLに全建との意見交換をするべきだという提案をしたのですが、今のところ無反応なので、是非、検討をしてもらいたいと思うのです。
今後、公共工事の世界では、「本当によいものをよりやすく、安全に」を目に見える形で実践されなければ地場建設業はさらに窮地に追い込まれていきます。今までの曖昧で片務的な契約関係から対等で透明性の高い契約関係にしていくためには、「第三者機関」の創設は避けて通れないと思うのです。そのために我々行政書士が何が出来るのかを真剣に考えなければならないと思うのです。

2005.05.09

ジャン・モネ

今日は晴れ、少し風があるものの穏やかな陽気です。
GWが終わり、今日から本格的に業務再開です。先週金曜日の尽語でメルマガの登録をお願いしたのですが、まだ登録数が5しかなく、寂しい限りです。有償メルマガの発行は6月3日からなので、それほど焦るつもりはないのですが、皆さんの積極的な登録を是非お願いしたいと思います。
今日の日経新聞5面の“核心”という囲み記事「日中は独仏に何を学ぶか」にジャン・モネというフランス人のことが書かれています。ジャン・モネは戦後独仏連携の基礎を気づいた“シューマンプラン”の原案を書いた人で、「欧州統合の父」と呼ばれ、日本の幕末で言えば坂本龍馬のような存在で、エリート主義のフランスでは珍しく学歴のない一介のコニャック商人であったそうです。
そのジャン・モネを評してニューヨーク・タイムスの記者が「何かになりたいのではなくなにかを成し遂げるタイプだ。見せかけや野蛮を嫌った。」と書いたということが紹介されています。この「何かになりたいのではなく、何かを成し遂げたい」というところに感銘と共感を覚えました。
時あたかも全国の行政書士会で会長選挙が行われ、来月には日行連の会長選挙が予定されています。日経の記事の中には、「激動期にはそれにふさわしい人物が現れる。」とありますが、「何かになりたい人」でなく「何かを成し遂げたい」人が出てきてほしいと願わずにはいられません。

2005.05.06

メルマガ登録をお願いします。

今日の小田原は、曇り。午後からは雨が降るらしい。
今日はまだ連休の狭間の出勤日という感じで、何となく休み疲れの気分を引きずっています。
今朝は、記念すべきメルマガOzeki-letter100号を発信しました。2年前の6月6日の創刊以来、毎週金曜日の定期発行を続け、ついに100号まで来たので、良くやったなぁと思い、ちょっとした感傷に浸っています。
このメルマガは、今回の発信をもって無償配信を終了し、101号からはマグマグからの有料配信となります。これまで、mail magic2というソフトを使って配信をしてきたのですが、多くのメールサーバーがスパムメール対策を強化したために、mail magicが発信ソフトというだけでスパムの認定を受けてしまい、不達メールが急激に増加してしまったことがきっかけなのですが、今後、情報は無償ではなく、利益を生む道具となることを認識してもらうためにも有料化するべきであるということになったというわけです。 購読料金は、月額500円(消費税別)です。毎週金曜日の発行ですので、1回約125円という廉価です。
これまでは、神奈川県行政書士会会員限定で発行してきましたが、これからは、全国の行政書士、行政書士の業務や制度に関心のある方々にも読んでもらえるので、この「尽語」を読まれている皆さんにも是非読んでもらいたいと思っています。
6月から発行する「Ozeki-letter」有料版は、マグクリック社さんの「まぐまぐプレミアム」というシステムを利用して発行するため、「まぐまぐプレミアム」へのユーザー登録が必要になります。
まず、このサイトのメルマガ申込のページに行きます。
    
申込のページの下部にある「このメールマガジンの申込はこちらから」というバナーをクリックし、Ozeki-ltter申込ページに入ります。
・申込ページの右側にある「初めての方はこちら」をクリックして下さい。
なお、お支払いは、
・クレジットカード
 JCB、DC、UFJカード、ミリオンカード、日本信販、ダイナース、 AMEX UC、VISA、Master
・ネット銀行
 ジャパンネット銀行
での決済となりますので、ユーザー登録の際には、クレジットカードをご用意の上、手続きしてください。
ユーザー登録は、まぐまぐプレミアムへようこそのページの最下部「>> 会員登録はこちらからどうぞ <<」のリンクから入っていってください。 ・会員規約に「同意」して ・あなたのメールアドレスを入力します。(2回) ・会員情報のページで必要事項を記入します。  パスワードは任意ですので、自分で決めたパスワードを入力します。 ・入力が終わったら「次へ」をクリックします。確認画面で確認をクリックするとクレジットカードの確認がされ、登録が完了します。  以上、大変お手数ですが宜しくお願いいたしますm(_ _)m。

2005.05.02

自律性の高い“個”の育成を

今日の小田原は、朝方まで降った雨も止み、今は晴れています。気温も高くなりそうです。
今日は、連休の狭間で事務所に出勤しています。この連休は暦通りなので今週は今日と金曜日が出勤日です。しかし、3+3+2の飛び石連休(?)というのも出かける予定のない者にとっては気分転換が出来ていいのかもしれませんですねぇ^^;
ところで、このところJR西日本の尼碕での脱線事故をはじめ旅客大量輸送の業界の緩みというか利益優先体質による安全軽視と言われるような事件・事故が続いていますが、今度は、市民の安全を守るべき警察官が職務質問に非協力だと言うだけで一般市民に向けて至近距離から発砲し、重傷を負わせるという事件が起きてしまいました。
特にひどいと思ったのは、羽田空港の管制官が改良工事で閉鎖されているはずの滑走路に着陸機を誘導してしてしまうミスを犯し、幸い事故にはならなかったのでよかったですが、その滑走路の閉鎖情報を18人の管制官全員が失念していたという話。全く信じられない体たらくではありませんか。もし、滑走路での工事が始まっていたらと考えるとぞっとします。
何か、社会全体の“たが”が緩んでしまっているようにさえ思えます。これも、パラダイムシフトをしている時代の特徴なのでしょうか。
ヒエラルキー(階層)社会が崩壊し、上意下達の命令系統がうまく動かなくなってしまい、まだ高い自律性が育っていない“個”の判断に委ねられる結果、日常の“ハッと、ヒヤッと”の増大となり、信じられないような“個”の判断ミスや操作ミスを惹き起こし、それが重大な事故に繋がっているように思えます。
つまり、これらの事件・事故は、システムの問題ではなく、情報化社会(脳化社会)に対応できる高い自律性を身につけた人的資源がまだ育っていないことの表れなのだと思われるのです。だとすると、これらの事象はまだまだ今後も惹き起こされると考えた方がよいのかもしれません。高い自律性を身につけた人的資源を創り出すために何をすべきなのかを考えることは、今の社会にとって急務なのかもしれません。

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