小関ブログ

真の法治社会を目指して

今日は梅雨入り三日目だというのに、晴れています。気温も夏日になるようで半袖ワイシャツで出勤です。

先日、我が国におけるコンプライアンス問題の第一人者といわれている郷原信郎氏の著書「思考停止社会-「遵守」に蝕まれる日本-」を読了しました。

思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本 (講談社現代新書)
郷原 信郎
講談社
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読んでいるうちに色々と考えさせられましたが、最終章の「真の法治社会を目指して」の

私たちは、法令や「偽装」「改竄」「隠蔽」「捏造」などの言葉の前に服従を強いられる「遵守」の世界とそこでの思考停止状態から、まず脱却しなければいけません。その上で、目指していくべきは、法令を中心にして市民が理解し合い協力し合う「真の法治社会」です。あらゆる分野の問題について、立場の違いや専門知識の有無の違いなどを超えて、関心を持つ市民が共通認識を持つことが出来るようコミュニケーションを図り、対等に話し合い理解し合うフラットなコラボレーションの関係を拡大していくことです。そこでは、関連する多くの社会的要請の相互関係を把握し、法令や社会的規範との関係などを的確に整理することが必要です。この様な市民のコラボレーションの中で、市民が法令を大切に使いこなすサポートをする役割を果たすのが、広い意味の法律家です。

という一文は大いに納得できました。私たち行政書士も「広い意味の法律家」の一員として、このことをしっかり理解しなければならないと思います。

翻って我が行政書士界を見ると、行政書士法人の社員常駐義務違反による懲戒処分に関連して出された県からの「業務改善勧告」という“黄門様の印籠”にひれ伏し、行政書士法人制度の意義や“社員の常駐義務”の背景や考え方についてきちんとした議論をしていないように思えます。まさにその面では「思考停止状態」と言ってもいいのではないでしょうか。

当事務所も行政書士法人を平成16年に制度が出来た直後に設立して現在に至っていますが、日行連理事の中でも、神奈川会理事の中でも法人の代表社員は私一人という状態で、法人制度について必ずしも関心が高いとは言えない状況が続いています。

法人制度については、領収証の印紙税が個人会員のように非課税扱いではなく、権利行使や利益享受が出来ないにもかかわらず入会金や会費が個人会員と同等額を取られるなど、改善すべき点が多くあるように感じているのですが、そのような議論を持ち出してもなかなか受け入れてもらえない現実があります。

今回の「業務改善勧告」を期に行政書士法人に対する関心を高め、行政書士法人制度に関する共通認識が生まれるよう努力しなければならないという思いがこの本読んで強くなりました。

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