小関ブログ

“こうすれば、ああなる”という思考

今日は、抜けるような青空が広がっています。すっきり快晴です。出勤途中の小田原大橋から見えた富士山がきれいでした。
しかし、今週は“まだ木曜日?”と思えるほど長く感じています。心棒がはずれてふぬけた一週間を戻すのを体が抵抗しているようですねぇ。
『考える人』(養老猛司著)を読み進めています。この本の副題が「脳はなんのためにあるのか」とあるように、普段意識していなかった“脳”というもののすごさを考えさせられています。


我々は、様々な行動を意図的に、つまりある目的を持って遂行する。−(略)−しかし我々は、行動のいちいちの過程自体について、その目的を把握しているわけではない。
−(略)−
それはすなわち「ああすれば、こうなる」「こうすれば、ああなる」である。「こうすれば、ああなる」形の考えは、典型的な合目的思考なのである。
「こうすれば」と考えた結果、「ああなる」のが具合が悪ければ、意識はそういう行動を採用しない。具合が良ければ、直ちに採用する。意識はこのようにして、合目的行動を絶えず検証しているのである。
−ざっくり−
こうした合目的思考が成り立たない状況を、我々はたとえば危機と呼ぶ。現代では危機管理が問題とされるが、危機とは、合目的行動が当面成り立たない状況をいう。
−−危機においては、意識は「ああすれば、こうなる」が出来なくなるので、「どうしたらいいか、分からない」となる。そうなった状況では、動物では直ちに試行錯誤が発生することになる。
(『考える人』P138,139)

「こうすれば、ああなる」というのは、危機ではない平時の時にそれまでの経験則によって把握できる予測可能な範囲という理解が出来ます。その理解で現在の状況を考えた場合、やはり「こうすれば、ああなる」が成り立たない「危機」に当たる状況であることが理解できます。
従って、しばらくの間「試行錯誤」を繰り返していくことになります。この試行錯誤の中から新たな時代にあった合目的行動が成立していくことになるわけです。だからこそ、目的をしっかり持ち、その目的に合致した行動をとるための試行錯誤(私は、実験といいたい)を様々な形で繰り返していくことが重要だと思うのです。
私が主張している“新たなスキーム”づくりは、まさに、この試行錯誤(実験)を繰り返し行うことで、新たな社会システムのもとでの合目的行動を成立させようとするものなのです。

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