今日は朝から冷たい雨です。午前中には止むという予報ですが、雨が止むと強い風が吹くということで、体感温度はさらにぐっと下がるようです。
今年の杉花粉は例年にましてきついようで、鼻はなんとか“眼鏡の曇らないマスク”のおかげでそれほどではないのですが、目の症状が徐々にひどくなってきています。毎日フレッシュアイで洗浄しているのですが、あまり効果がありません(悲)。
先週金曜に書いた“気になる一冊”を入手しましたが、本のお題は「日本人の戦略的失敗」(北岡俊明著:PHP研究所刊)というものでした。自分の記憶の曖昧さに少々ガッカリしましたです(笑)。
早速読み始めましたが、著者の北岡俊明氏は、その略歴によると戦史研究会・戦略研究会を主宰する評論家で、本の中には反共・軍国賛美の傾向が所々に見られるのですが、戦略的思考や戦略と戦術に関する考え方には学ぶべきところが多いように思われ、しっかり読了してみたいと思います。
「戦略」とは、戦争から発想された用語であり、戦史を学ばずに戦略を語ることは、「傲慢である。」という議論は理解できます。戦史とは歴史であり、その歴史から導き出された教訓を理解し、現代社会に活かしてこそ戦略的思考が成り立つのだと思います。このことは、様々な分野で共通であり、行政書士としての戦略的思考を構築していくためにも歴史から学ぶ重要性を感じています。
「戦略」と「戦術」は似て非なる言葉で、軍事用語では、「戦略は、戦争の目的達成する全局(面)に関わる基本方針をいい、戦術とは、個々の戦闘に関わる方策をいう。」という説明がなされています。
別の言い方では、山登りにたとえて「どの山に登るのか(目標)を決めるのが“政治”、気候、環境、状態など様々な要素を総合的に勘案して山の登り方を決めるのが“戦略”、実際に山に登るために必要方策を考えるのが“戦術”」という言い方もあるようです。
この本の“はじめに”では、「日本人は、戦術的な民族だから、細かな職人芸、物づくりには長じているが、戦略的民族のアングロサクソンには、歴史的に手玉にとられてきた。『戦略の誤りは戦術では補えぬ』という歴史の教訓は厳然として生きている。」(P2)とし、「日本人はあまりにも現場至上主義であるために戦術に陥る。現場は大切である。しかし、現場に密着しすぎると戦術的になるのは当然の理であって、戦略という長期的、俯瞰的、マクロ的、大局的な思考が出来なくなる。目の前の具象物(事象)を追いかけるようになる。戦略とは、目に見えない抽象的思考の世界のものである。だからやっかいなのである。」(P3)といっています。
行政書士制度の未来を考える上で、大変示唆に富んだ言葉であると思います。