小関ブログ

建退共制度に内包する問題

今日は、朝から雨が降っています。それが原因かは定かではありませんが、頸椎の痛みから頭痛になりそうな気配です。昨日一日休養したのに・・・(汗)。
昨日の朝日新聞に民主党の長妻議員が「建設業退職金共済(建退共)の未払退職金が41万人分約600億円ある」と言うことで政府を追及したという記事がありました。何を今さら・・・という感はありますが、建退共という退職金制度に内包する問題をきちんと整理して欲しいと思うのです。
元々の建退共制度は、建設現場に働く労働者の業界内での流動性が高く、一つの会社に長期間勤務しないことが多いと言うことで、業界団体が設立主体となって勤務日数に応じて証紙を手帳に貼っていき、勤務先を他の建設業者に移すときにその手帳を新たな勤務先に提出して証紙の貼付を継続していき、2年以上になると完全退職又は建設業以外の業種に転職するときにその加入者本人(建設会社ではない)に退職金請求の権利が生まれるという独自の退職金制度として発足したものと聞いており、その意味では建設業の実態にあった上手い制度だと思うのです。
問題なのは、普及をはかるために公共工事の入札契約制度に取り入れ、経審の加点要素としたことによって制度本来の意味よりも公共工事の受注の為に加入することが半ば目的化してしまい、経審申請や入札参加資格認定申請の際に必要となる“建退共加入・履行証明書”をとるために必要な、また、公共工事受注の際に請負金額に応じて積算されている額の証紙を買うことになってしまい、証紙を貼付するための手帳は、加入者(労働者)本人に渡されず、会社が管理をしているというのが私の知る限りほとんどのようなので、従って、退職時に手帳が本人に渡され次の会社で継続されることはまれで、そのために請求手続が本人に限定されている退職金の請求が為されない事例が多いことは自明の理と言うことになります。そのことを考えれば、請求されない退職金は41万人どころではないと思われます。
さらに、建設労働者の環境が時代の変遷と共に変わり、常勤で長期勤務の労働者が増えていることで常勤の労働者も加入できる制度になったにもかかわらず、日雇い労働者と同様に勤務に数に応じた証紙の貼付を続けていることにも問題があります。
と、言うことで、建退共については、未払退職金の問題だけではなく、制度的にきちんと見直す時期に来ている(もう遅すぎるくらい)と思うのです。

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