2008.05.22

『小さな政府』???

今日も五月晴れとはいきませんが穏やかな晴です。今朝の徒歩通勤は爽やかでした。

今朝TV報道された後期高齢者医療保険に絡んでの「日本ほどお年寄りに優しい国はない。」という官房長官の発言は、どう考えてもいただけません。彼は本心からそう思っているのでしょうかねぇ。どうも、国民の気持ちを逆なでする発言にしか聞こえなかったのは私だけはないと思います。

我が国政府は、小泉政権の頃から(それ以前にも議論はあったのでしょうが)「小さな政府」を標榜し、あたかもそれが唯一正しい改革の道であるかのように宣伝をしてきました。 それは『「小さな政府」とは、産業や社会保障への国家の関与をできるだけ少なくする、消極的で安上がりな政府なので、国が必要とする財源も少なく、税金・保険料などの国民負担は低く抑えられます。また、行政からの種々の規制が緩和されることで市場原理が働き、経済の活性化に大きく寄与する』というものでした。

しかし、現実はそううまくいっているとは思えませんし、それどころか、国民負担は増えるばかりです。『小さな政府』の代表は、アメリカですが、アメリカには“国民皆保険”という制度はなく、国民は我が国から見れば異常に高い民間の保険料を払わなければまともな医療サービスを受けられないないそうです。

日本国憲法は、その第25条で「全ての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。」と定めています。そして同条第2項で「国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」として国の社会的任務を義務づけています。「小さな政府」は、明らかにこの条項に反するものだと思うのです。

ここでいう“大きい”“小さい”は、公務員の人数や役所の物理的な大きさましてや様々なシステムの大きさをいっているのではなく、その権限の大きさをいっているのであり、“小さな政府”は、その権限の大半を民間に委譲して種種の規制を緩和或いは廃止して“市場原理”にまかせようというものなので、「優勝劣敗」の資本主義の中で富める者は益々豊かなサービスが受けられ、貧しきものは切り捨てられることになります。

そんな社会でよいはずがありません。しかも、「株主資本」という言葉がいつの間にか主役となり、労働に対する価値観を大きく変えてしまった現在では、様々な企業が生み出す製品の価値よりもその企業が生み出す利潤のみに企業価値を見いだして投機的なM&Aが繰り返されています。そして、経済がグローバル化している中で投機マネーの流動性が高まり、あらゆる国の国民生活に影響を与えています。

いささか話が大きくなってしまい、ここでは語り尽くすことは到底出来ませんが、今、必要なことは、人類の英知を結集し、グローバル経済を制御するために必要な「哲学」だと思っています。


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