Ozeki - Letter

2003.06.20

第3号

Ozeki-Letter

【プロフェッションになろう】(3)
~“禁句”を覚えよう!~

例えば、マネジメント系の仕事(業許可や経営支援)をやろうと思ったら、そういう仕事は、どうしても財務(これまでは税務)に関わってくるので、税理士に多く集まるという傾向があるんだ。悔しいけれど、それが現実。

税理士も、今は経営がきついので、自分のところでやってしまうところが多いのだけれど、でも実際にやっているのはそこの職員で、その職員が辞めてしまったりすると、対応できずに行政書士にアウトソースしたり、紹介したりすることになるので、まずは、地域の税理士に自分が開業したことを“挨拶状”で知らせることが有効なんだと思う。

行政書士の業務というのは、一人行政書士だけで完結できる業務がそれほど多くないので、税理士に限らず弁護士や司法書士、社会保険労務士などの他士業で活躍している人と交流を持つことは、自分が業務を継続していく上で大事なことなんだ。

最初は、誰かを通じて紹介をしてもらうとか、さっきいったように「挨拶状」を出すとかで、こっちの存在を知ってもらう必要があるよね。地域のボランティア団体やNPOなんかの研修や会合に参加するのも一つの手法かもしれない。

営業っていうか、仕事を依頼してもらうために言ってはならない言葉がある。これは、是非覚えて実践して欲しいのだけれど。。それはね。「暇なので」とか「仕事がない」なんてことを口が裂けても言わない。いつも、だれに会っても「忙しい」を連発することだ。

まがりなりにも自分で事務所を立ち上げたわけだから、看板を上げたその日から事業者の一員なんだ。君だって食事をするときに誰もいない暇そうな店を選んで入ったりしないよね。つまり、“ひま”ってことは、マズイか信用がないかどちらかだと考えるのが普通なので、ひまな店ほど客足が遠のくというのが現実なんだ。

だから、自分から“ひま”だとか“仕事がない”なんてこと言うってことは、『私には信用がありません。』ってことを自ら言いふらしているようなものなんだよ。

それと、もう一つ気を付けたいのは、「やったことがないので勉強させて下さい。」なんて言ってはいけない。つい言ってしまうことがありそうなのだけど、これも禁句なんだ。

君は実際に新人なのだけれど、依頼する側はそうは思わない。君をプロだと思うから依頼をしてくるわけで、そのときに、“勉強”なんて言ったら相手は不安を感じてしまうでしょ。

言葉って言うのは、本当に大事なのだと思うのですよ。その一言がチャンスをくれたり、チャンスを逃したりするのですから。つくづく怖いですねぇ。
(つづく)

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【予防法務研究】『企業予防法務』の基本(1)
~“内部告発”をされないために~

今回から、私達行政書士にとって身近な『企業予防法務』について具体的に研究をしていきたいと思います。

20世紀後半、戦後の荒廃から高度成長、バブルという急成長をしてきた背景には、“義理人情”を重視する「暖かい社会」の中で、企業経営者の商法、労働基準法、税法などの違反が横行し、それによって成長が維持されるという現実がありました。

しかし、1990年代後半くらいから次第に企業の内部告発による不祥事が明るみに出始め、企業経営をめぐる社会的、法律的、経営的環境が大きく変わってきました。

最近では、雪印食品の内部告発による「狂牛病対策資金の不正受給」事件が記憶に新しいのですが、これらは、義理人情よりも“法律”を重視する「冷たい社会」の到来を示していると言えます。

すでに“事後救済・事後チェック社会”への移行が始まって、時代が大きく変わっているということの認識が欠けていると、経営者は、まじめな社員からの内部告発によって責任を追及されることとなります。

特に、中小零細企業の場合、オーナー経営者で同族会社であることが多く、従業員に対しても家族的意識を持ち、一方的に家族的貢献を要求している場合も少なくないようですし、法律に対する意識が希薄であるのが一般的です。

しかし、社内がうまくいっているときには、それほどの問題は起こらないのですが、一端問題起きると法的に許容範囲を逸脱していることが明らかになるケースが多いのも事実なのです。

経営者が個人資産を作ることに熱心で、労働者の権利を軽視していた場合に問題が起こり、基準監督署に内部告発をされた場合等に、“同じ釜の飯を食った仲間”などといっても通用しないのは当たり前です。

そうならないためには、中小零細の同族企業といえども個人と法人を明確に区分し、経営判断をするときには法的意識を持って次のポイントをチェックしなければなりません。

● 会社は、株主・出資者のものという認識を持っているか。
● 経営方針決定にあたり、法令、定款に違反していないか。
● 人事、労務管理にあたって、“満足管理”を実践しているか。
● 常に、合理的な判断で会社の最大利益を追求出来ているか。
(つづく)

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