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IT時代の法務知識

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(7)デジタル化で生じる法律問題

 前回まで、ネットワーク上での意思表示などの問題を中心に説明しました。法律行為としての意思表示に関しては、まだまだ様々な問題が考えられますが、基本的には、民法が改正されるまでは現行民法から類推していくこととなり、今後判例が出てくることと思われるので、それを待って研究を深めていきたいと思います。

 今回からは、我々行政書士にとって重要な「書面のデジタル化」に関する問題を研究していきたいと思います。

 これに関しては、今年2月に発表された、経済産業省の「文書の電磁的保存に関する検討委員会」(委員として日行連からも参加:以下、単に「検討委員会」といいます。)の中間報告-文書の電磁的保存等の要件について-という文書も参考にしていきたいと思います。

1.書面としての問題

a.原本性

「紙」でのやり取りの場合、「原本」、「写し」という概念があります。この場合「原本」とは作成された文書それ自体であり、これに対して、「写し」は、原本をそのまま謄写または複写されたものと言うことになります。
「原本」の法律上の意味は曖昧で、行政手続城ではほとんど定義はないとされています。刑法の議論では、「ある特定の時間・場所において示された確定的な観念・意思の直接的な表示であり、他に代替を許さない唯一のものであることを必要とする。」とされています。

この「原本性」について、総務省共通課題研究会及びニューメディア開発協会では『電子文書は、紙文書と比較して改竄が容易で、その痕跡も残りにくく、記録媒体の経年劣化等により内容の消失等がおきやすいなどの特性を有しているため・・・これらの保存・管理上の問題点をどう解決するかについて検討が必要である。』とし、『原本とは、原稿法令上、「製本」、謄本』「写し」等に対するものとして合わせて使用されており、「原本」についての定義、要件を定めて規定はなく、紙文書についても原本の意味は明確ではない。また「原本性」という用例もないことから、電子文書についてのみ、法的意味での「原本」ないし「原本性」の定義等を検討する必要性は乏しく、その実益もないと考えられる。』としています。

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