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(12)契約その他の書類を代理人として作成すること②

 前回、契約代理や定款の作成代理を法定業務としてなし得るのは弁護士と行政書士のみであると書きました。

 弁護士は弁護士法72条によってきわめて排他的な独占を保ってきましたが、そのことは、今、規制緩和の流れの中で緩和せざるを得ない状況に至ってきています。平成13年の行政書士法の改正は、その流れの中で実現したものであるといえると思います。

 しかし、弁護士が排他的独占を続けてきた裏には、懲戒権を含む弁護士自治を確立し、弁護士の高い職業倫理を保持してきたからに他なりません。現在行政書士に開かれている契約代理等の業務を遂行していく限りにおいては、弁護士と同等とはいわないまでも相応の職業倫理と専門家責任を求められているということを自覚しなければならないと思うのです。

 そして、その職業倫理の確立と専門家責任の明確化をしていかない限り、本年8月1日施行の改正行政書士法第14条の3による市民からの懲戒請求制度に対応できないことになります。

 1号代理権は、前に述べたとおり「事実行為の代理」であり、本人の意思決定の代理は含まないので、通常の善管注意義務で足りることになりますが、財産処分等の意思決定を委ねられる2号代理では、より高度な善管注意義務が課せられていると考えられます。

 この「契約書等の作成代理」業務については、法1条の2に基づいて作成のみを行う場合を除き、代理人として(つまり、各契約条項を代理人としてつくる場合)作成する場合には、当然に民法108条が適用され、双方代理はできないので、注意を要します。

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