小関ブログ

「ご苦労様」は失礼?

今日は、日差しがあるものの雲が多く、富士山も見えません。
今日は、午前中クライアント会社さんとの打合せの予定が入っているので、急いでこれを書いています。
昨夜、友人との話の中で、忠告を受けたのですが、気になったので、少し調べてみました。
忠告は、「メールを書くときに「ご苦労様です。」は、目上に向かっては失礼なので、気をつけるように」というものでした。確かに、昔そのようなことを聞いたことがあるのですが、「労をねぎらう」言葉として日常的に普通に使ってきましたし、自分に向かって若い人から「ご苦労様でした。」と言われても違和感なく受け入れてきたので、恥ずかしながら、改めて指摘を受けると返す言葉もなく、素直に受け入れることにしました。
しかし、納得ができているわけではないので、ネットで検索をして、改めて様々な意見があり、必ずしも「正しい日本語」としての「ご苦労様」の使い方として、学者の中でも論争があり、目上から目下へと言う概念が定着しているわけではないらしいということを知りました。「ご苦労様」と同様の労いの言葉として「お疲れ様」という言い方もありますが、どちらが正しいということでもないようです。
時間がなくなってきてしまいました。続きはまた後で書きたいと思います。


つづきです。
ネットで、興味深い文書がありました。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2001575.html?ans_count_asc=0

 飯間浩明(いいまひろあき)著『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波アクティブ新書75)に、「ご苦労さま」という一節があります。
 筆者によると、江戸時代の浄瑠璃、歌舞伎のたぐいを調べてみたが、身分の上の者が下の者の労をねぎらう言葉として「ご苦労」という語が用いられていた例を見つけるに至らず、かえって、目下の者が目上の者に使っている例が目についたそうです。
 「仮名手本忠臣蔵」では、顔世御前が、夫・塩治判官の上役である高師直に対して、
〈師直様は今しばし、御苦労ながらお役目を、お仕舞あってお静かに、〉
あるいは、家老である加古川本蔵行国が、主君である桃井若狭之助安近に対して、
〈いよいよ明朝は、正七つ時に御登城、御苦労千万、今宵ももはや九つ、しばらく御まどろみあそばされよ。〉
という例が紹介されています。

つまり、元々に意味は、上下の区別なく労をねぎらう言葉として一般的に使われていたものが、近代、特に戦後の開発主義による肉体労働の生産性を上げるために作られた上意下達の階層社会(ヒエラルキー)の中で、「下のものが上のものの労をねぎらう、その行為自体が失礼にあたること」とされた社会儀礼上の使い分けであるという説があります。
私としては、「ご苦労様」という言葉には、単に「他人の苦労を感謝する(もしくは敬う)」という意味しかないという意味において労をねぎらう言葉として素直に使用しているだけなのです。が、しかし、他方において儀礼的には目上に向かって使う言葉ではない。」として不快を示す向きがおられることも事実なので、その点を自覚して、注意深く使用する以外にはなさそうです。
いずれにしても、日本語は難しい(笑)。

遊ぶ日本語不思議な日本語
飯間 浩明
岩波書店 (2003/06/06)
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