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(11)新たなプロフェッションの形を考えよう⑤

 前回、『法務会計』を提唱し、実践をしている福岡の橋本先生のホームページを紹介しましたが、ご覧いただけたでしょうか。
 私も大変興味深く、勉強をさせていただいているのですが、彼の言われる

「法務会計」:法務+会計+マネジメント=予測+戦略+検証+予防=事務弁護士+会計人+経営コンサルタント

という発想は、我々の将来にとって重要な示唆を与えてくれていると思います。

 そこで、今回からは、予測+戦略+検証+予防を扱うプロフェッションとしての問題解決能力を高めるための“戦略的思考”について考えてみたいと思います。

 私たち行政書士は、これまでの“代書人的思考”から脱却し、新たなスキームを創り出さなければ生きていけない時代に突入しています。
 このことは、これまでも何遍も書いてきました。
 そして、その新たなスキームとは、『国民の権利を擁護し義務の履行を支援する』ことに加えて、『専門家として依頼者・クライアントの抱える問題解決に当たるアドバイザー・コンサルタント』としての地位を確立することだと考えています。

 だからこそ、我々行政書士の能力の一部としての“戦略的思考”を鍛える必要があるのだと確信しています。

«ゼロベース思考» と «仮説思考»

 «ゼロベース思考»とは、文字通り「ゼロベースで物事を考える=『既成の枠』を取り外す」と言うことです。 こういっても、たぶん解ったようなわからないような話にしか聞こえないかもしれません。
 つまり、これまでの経験則や既成の概念から離れて客観的に物事を見て問題の所在を探り、純論理的に思考を組み立てる。ということなのです。
 «仮説思考»とは、「常にその時点での結論を持ってアクション(行動)を起こす」と言うことです。
 つまり、こうすれば(こういう行動を起こせば)こうなる。という仮説を立ててそれを検証する形で行動を起こすことが重要なのです。そうすれば、臨機応変な修正をしながら正しい結果を得られると言うことになります。
 こういう風に書くと「なんだそんなことか」と思われる方もいるのかもしれません。しかし、「解ること」と「実行できること」は大きく異なります。
 さらに「解ること」「実行できる」ことと「結果がうまくいく」ことの間にはもっと大きな溝があります。

 「権利義務」にしろ「許認可」にしろ、『書類作成』という範疇では、それほど“戦略的思考”を云々しなくてもすんできたのですが、今後、“契約代理”として“予防法務”の担い手となり、あるいは企業の“経営法務コンサルタント”や家庭の“法務コンサルタント”として活動していくためには、この«ゼロベース思考» と «仮説思考»は、問題解決にあたっての重要な基本的思考であることを十分に理解する必要があります。

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