小関ブログ

公共工事のあり方に関する提言

台風23号が去り、今日は予定通りの晴れです。やっぱり青空はいいですねぇ。
全国各地で被害に遭われた皆さんには、心から見舞いを申し上げます。
 やっと気分が落ち着いてきたので、先月ダウンロードをし、プリントアウトをした日建連(日本建設業団体連合会)、土工協(日本土木工業協会)、建築業協会の3団体が共同でまとめた「公共工事調達制度のあり方に関する提言」を読み始めています。
この提言は、公共事業費の削減に伴って市場の縮小が進む中で、受注者側である建設業者団体がその苦境を回避するために、自ら問題点を指摘し、声を上げたところに大きな意義があると思います。そのため、その内容は、極めて詳細で具体的であり、政策的実効性を高めようとする努力が伺われます。
はじめの部分に「提言の概要」があり、その最初に「問題の所在」として

公共工事に係わる調達の特質は、既に市場の評価を得ている物品等の調達と異なり、目的物が完成し使用に供されてから初めて評価が得られる点にある。そのような特質をもつ公共工事に対して、LCC(ライフサイクルコスト)・VFM(ヴァリュー・フォー・マネー)等が考慮されず、原則として入札時の価格のみで落札者が決まる現在の会計法・地方自治法(以下法令等という。)に基づいた調達制度は、品質及び競争の実効性の確保のうえで最適の制度とはなっていない。

という表現で、現行の「価格のみの競争」による公共調達を批判しています。
実際、技術力の評価や、設計変更を伴う技術提案をおざなりにした「価格のみの競争」によって、応札価格は制限価格に寄りつき、落札価格は限りなく制限価格に近くなっているので、本来あるべき企業利益を確保することが困難になっているのです。
この事は、以前から何度も書いていることですが、分離発注された設計に基づいた部材・仕様の指定を受け(ひどいときには外注先の逆指名もある。)、それに基づいた設計価格があり、その価格に歩切りをしてが議会に提出され予算化されて予定価格となるわけで、その中には当然に適正な企業利益が含まれていると考えられます。ところが、落札し受注するためには「価格のみの競争」によって利益を度外視して最低制限価格に寄りつかざるを得ない実状になっているのです。
この「提言」については、かなり容量のあるものですが、是非じっくりと読んでみたいと思っています。

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