小関ブログ

ドラッカー氏を悼んで

今日は曇りで寒い朝です。
一昨日のニュースで、“経営の神様”と評されてきたピーター・F・ドラッカー氏が亡くなったそうです。享年95歳だそうです。つい最近まで著作の新刊が出ていたので、95歳という高齢にもかかわらず、的確な社会観・世界観を明瞭な文体で書かれていたことに感嘆しました。ピーター・F・ドラッカー氏は、1909年11月19日生まれだそうなので、あと1週間で96歳であったわけですが、直前まで、講義にたち、物を書いていたようです。私には、氏を評する力など到底あるべくもないのですが、氏の著書を愛読し、ずいぶん勉強をさせてもらったので、本当に残念です。
以前日経新聞の「私の履歴書」で連載された記事のスクラップを読み返してみると、氏は、オーストリアの外国貿易省長官の子としてウィーンで生まれ、17歳でドイツに移住し、ハンブルグ大学法学部に在籍しながら、貿易会社の見習いから投資銀行の証券アナリストになり、その銀行の倒産によって新聞記者となったそうです。その後、ナチス政権から逃れるためにロンドンに移住し、27歳で結婚。ロンドンを脱出してアメリカに渡ったそうです。アメリカでは、ワシントン・ポストと契約をし、処女作である『経済人の終わり』を書き、GM(ゼネラルモーターズ)の徹底調査の仕事からマネジメント(経営)をテーマとした研究を深め、『会社という概念』を執筆。1942年から大学教授として教壇に立ちながら経営に関する数々の著作を世界に送り出してきたわけで、現在の日本ではやり言葉のようになっている『民営化』という言葉も彼の造語だそうです。
私自身は、彼の著作の中で、自分の人生にかかわるものとして特に『プロフェッショナルの条件』と『非営利組織の経営』という本が印象的で、何遍か繰り返し読んでいますが、氏の世界観、視野の広さ、経験に基づく的確な表現には、何度読んでも敬服させられます。心から哀悼の意を表したいと思います。

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