一昨日、新橋の浜離宮建設プラザで、“建設業の紛争!!予防・解決を考える”というテーマで、全国建行協の「建設産業ビジョン懇話会」が開催されました。
内容は、建設工事紛争審査会の紛争処理の状況を中心に、国交省の紛争調整官、弁護士、紛争審査会委員の神奈川大学法学部教授の基調講演の後、パネルディスカッションがあり、“行政書士が紛争解決にどう係わっていくか”について掘り下げた議論が交わされました。
現状では、行政書士が紛争解決に係わることには非常に高い壁があることは否めない事実で、我々自身がその資質を高め、制度的な信頼を勝ち取っていくしかないことは明らかです。そこで、今できることは“紛争予防”にどれだけ係われるかということになります。まさに“予防法務”なのです。
具体的には、契約の作成代理という法定業務をどう普遍化するかということにつきると思われるのですが、単に「契約」といっても、標準的なひな形を機械的に使っていては、なかなか紛争を予防することはできません。当事者間の意思決定に至までのコミュニケーションをリードし、発注者(施主)の希望を聴き、受注者(建設会社)とのすりあわせをきちんと行い、適格に契約書に反映させることによって行き違いや誤解をなくし、紛争の芽を初期の段階で極力つみ取り、その後の施工期間中に生ずる変更についても、フォローアップをしていくことが重要になります。
この契約業務を積極的に展開していくことは、弁護士法72条とは無関係であり、国民の権利を守り、義務の履行に資するという観点から絶対に必要なことであると言えます。今後、建設業関係の許認可業務だけでは事務所経営がままならない時代が来ることは明らかです。建設業法や民法、民事訴訟法等の法令の修得はもちろんのこと、人の意見や希望を的確に聴き取り、契約当事者の情報共有をリードするための技量を身に付けることが重要であることを改めて理解した「ビジョン懇話会」でした。
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