今日は、晴れてはいるものの箱根山方面は春霞で富士山は全く見えません。
昨日は、参議院で日銀総裁人事の不同意が議決され、まさに、今年のキーワード“混迷”が見えてきました。
昨日の日経新聞の6面で、イギリスエコノミスト誌の「JAPAiN」(ジャペィン)と題した特集記事を紹介しています。「日本の英語表記に“i”を加えて苦痛(Pain)の意味を掛け合わせた表現」だそうで、タイトルには(苦痛に満ちた日本)という訳がついています。
記事の内容は辛辣ですが、かなり頷けるものが多いです。まず目をひいたのが、「日本経済の停滞は政治家のせいである。」というもの。
(前略)政治も昨夏から混迷に陥ってる。2006年9月に小泉純一郎氏の後任として首相になった安倍晋三氏は、07年9月に退任。後継の福田康夫首相は求心力に乏しい。混迷が本格化したのは、小沢一郎代表率いる民主党が07年7月の参議院選挙で大勝し、野党が過半数を握ってからだ。同党は今や成長を目指す経済改革どころかあらゆる政策協議を滞らせる力を持つに至った。
-(中略)-
小泉・安倍政権時代には、政治的決断は自民党本部ではなく首相官邸で下さるようになった。福田政権になると、決定権は再び派閥と長老達--中でも中曽根康弘氏、森喜朗氏の首相経験者ら--の手に戻った。大連率を巡る小沢民主党代表と福田首相との秘密の会談を仲介したのは、日本最大の部数をもつ読売新聞の渡邊恒雄主筆だった。
この流れで、小泉・阿部政権下で改革に熱心になった官僚のやる気が福田政権では失われ、混迷国会の中で何も決められない政治に振り回されているという構図が見えてきます。この記事の中の今回日銀副総裁の同意が得られなかった東大大学院伊藤隆敏教授による予測が正しければ、という前置きで「これからは低成長しか期待できない。この責任は能力や先見性に欠ける政治指導者と、彼らが行う政治の混迷にある。」としています。
近頃の国会の状況、福田内閣の対応を見ていると素直に頷ける記事です。