Ozeki - Letter

2003.06.13

第2号

Ozeki-Letter

【プロフェッションになろう】(2)
~売り物を持つ~

前回は、「石の上にも三年」といいましたよね。でも、そうは言ってもさぁ、その間、どうやってやればいいんだよ~、って思った人もいるんだろうなぁ。
そりゃそうだ。霞を喰って生きるわけにはいかないよねぇ。

だから、今回からは、どうやって仕事を取っていくかを話してみようと思うのです。だからって、“石の上にも三年”って言うのを軽く考えてはいけないよ。

開業したときの環境は、それぞれの前職やこれまでの生き様でみんな違うわけだけど。

開業したからといって、それまでの蓄積がすべて生きないわけではないわけだから、まず、自分をよく見つめることが必要なんだ。
そして、自分は何のために、何をするために行政書士業を開業したのかをよく考える。

そこから、自分のパーソナリティを見つけ、当面何を‘売る’のかをだいたいでもいいから掴むことが必要なんだ。資格業と言っても、経済社会の一員なので、そこには‘市場競争’が当然にあると言うことを前提にしなくちゃいけないのですよ。

だからこそ、自分が“売れるもの(競争力)”を持たないと生きてはいけないと言うことになる。最初から厳しいことをいっちゃうようだけど、それが現実なんですよ。ホント。

よく考えて、この仕事ならやっていけるってものを見つけたら、まず、そこを重点的に勉強をしてある程度の自信を付けることが必要だ。その為には、その業務に関連する専門書を購入して(借りたり、図書館じゃだめ。知識を仕入れるための投資は必要なんだ。)、読む。読んだら実際に仮定の条件を作ってやってみる。そうすると、基本的な仕事の流れが自分なりにつかめてくるはずだよね。

そこまで出来たなら、今度は、外をよく見る。つまり、その仕事の市場(マーケット)はどうなっているのだろうと言うことだよ。わかるよね。

行政書士の職域は広いので、様々な市場があり、その市場ごとに経済社会の中での仕事の流れが違うので、“下手な鉄砲も数打ちゃ当たる”式の宣伝を打ったり、DMを出したりしても費用対効果を考えるとほとんど効果は上がらない。これって、体験者は語るだよ。

DM自体は悪いとは思わないけれど、出し方やターゲットによっては受け取った側の感情を害して行政書士制度そのものがひんしゅくを買ってしまうこともあるので、要注意だね。
(つづく)

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【予防法務研究】(2) 
~“予防法務”という考え方(2)~

“子供が石に蹴躓くとして、その石をできるだけ取り除こうとするとが今までの許可制(規制行政)。石はそのままにして、蹴躓いて怪我したらどうにかしましょうというのが、司法制度改革の中でいわれている「事後チェック・事後救済社会」。だとするならば、そこに石があるから蹴躓くと危ないですよと助言する人も必要だったりするわけで、それを法律的な分野で行うのが「予防法務」だということになるのでしょう。”

「予防法務」は、まさに「転ばぬ先の杖」的な役割を担う分野なのです。この分野には、大きく分けて「企業法務」と「消費者法務」とがあります。

『企業予防法務』の分野は、私達行政書士がこれまで、建設業許可、宅地建物取引業免許や運送事業許可などの業許可の申請等を通じて企業マネジメントに直接関わりを持ち、ノウハウを蓄積してきた分野でもあるので、いわゆる「許認可業務」を中心にしてきた行政書士にとっては、これまでの経験に基づいて新たな認識の下に取り組めば弁護士や税理士などの他士業者との差別化が可能であり、企業法務マネジメントのコンサルテーションビジネスに発展させることが出来ると考えられます。

これまでの“弱競争の暖かい社会”では、私達のクライアント先である中小・零細企業の経営は、義理、人情が優先し、一般的に法意識が低く、企業取引においても商的危険(コマーシャルリスク)のみを追求して法的危険(リーガルリスク)を軽視するという傾向が強くありました。また、経営者が“経営判断”を行う際にも法律的な判断は別に置いて考えてきたので、法律及び専門家の活用があまりなされないというのが実態でした。

しかし、“事後チェック・事後救済という冷たい社会”では、義理・人情より“法律”を重視し、曖昧さを避けて契約至上主義となり、一般的に法意識が高く、企業取引においても商的危険の前に法的危険を意識する(コンプライアンス)ことが必要となり、企業経営の政策判断においても“経営と法律の一体化”が起き、必然的に法律専門家のブレーンを持つようになると考えられます。

企業経営者が、経営に関わる初歩的な企業法務の知識を持たず、また、商法や、商取引に関わる法律を無視したばかりに重大な責任を負わされるケースが増えてきています。

さらには、それらを原因として企業倒産に追い込まれることも想定される現在において私達行政書士が専門家として果たすべき役割は日増しに大きくなっています。
(つづく)

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