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(24)情報ネットワーク組織

 前回、これからの行政書士にとっての新たなビジネススキームをつくっていくためには情報ネットワーク組織としての行政書士会が必要不可欠であることを書きました。
 そしてまた、「今週の一言」で、今年のキーワードは「従来型の思考、やり方との訣別」であるとも書きました。

 そこで、しばらくの間、「情報ネットワーク組織」とは何か、行政書士会に求められる新たな組織観とは何かについて考えてみたいと思います。

 これまでの日本社会の組織観は、ヒエラルキー(ピラミッド型階層)思考によって構築されてきました。
 たとえば、「エゴだけをむき出しにした人間が、お互いに疑心暗鬼になりながら、自分のもつ情報をあまり他人に知らせず、他人との関係も固定されたものと考え、きわめて限られた相互作用しかせずに、あくまで上の顔色をうかがいながら命令されたことだけをする。」そんな風刺画のような組織のイメージがよくありますが、単純に言えば、それが“ヒエラルキー思考に基づく組織”の姿だと言っても良いのだと思います。

 行政書士会もまた、このヒエラルキー思考によって運営されてきた組織の一つなのです。
 この“ヒエラルキー思考に基づく組織”の特徴は、情報が組織幹部の下に集積され、その情報を幹部が握ることによって権限(権力)を保持して、上意下達の命令系統を整備することによって組織全体を動かすことにあります。

 しかし、新たな情報化社会というシステムでは、このような情報交流の少ない、上意下達の一方通行の組織観は成立しないことが明らかになってきたのです。

 従って、このヒエラルキー思考に基づく組織がはじめに出来たと言われる軍隊組織でさえ、今やこの従来型のヒエラルキー思考を排除して、現場の一兵卒でさえミサイルの発射命令が出来るという組織形態に変わろうとしているのです。

 つまり、新たに求められる組織観とは、

  • 自律的で、しかし周りとの関係を考える人が集まり、
  • 双方向での情報交換で起こる“情報的相互作用”の束としての組織であり、
  • そして、その“情報的相互作用の束”に一定の方向性を与えるためのマネジメント(調整)があること。

と、言うことが出来ます。

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