小関ブログ

経審全面改正について

今日は曇です。降水確率は低いので雨はなさそうです。
昨日の“全国建行協と情報管理センターとの勉強会”は、経審改正に関することで情報管理センターの説明があり、その後意見交換をしました。
今回の改正は、経審審査項目の全てに亘る全面改正であり、物差しがメートル法からヤードに変わってしまうほどの大幅な改正が予定されています。
まさに最新鋭の大型原潜並みのスーパーゼネコンから木の葉のような漁船レベルの零細建設業者までをひっくるめて同一の基準で審査していたので、比率を使う部分では規模の大小にかかわらず財務内容が良いところ(というよりは、審査項目に相当する部分が上手くはまったと言うべきか)がよりよい点数になっていたので、アンバランスを生じていたものを大きいところはそれなりに大きい数値となり、小さいところは、小さいなりの数値にしかならないようにしたことで「公正で実態に即した評価基準の確立」をしたという点では評価は出来るのですが、、、
どうも、今回使われることとなった各評価項目や指標が大企業に有利なものばかりに見え、中小零細建設業者にとっては極めて厳しいものになっているという感は否めません。ここの評価項目に対する考え方は、ここでは書きませんが、また改めてきちんと意見をまとめてみたいと思います。
告示がまだ出ていないので、評価テーブルや係数などが明らかになっていないので、実際どのような数値が出るのかは定かではありませんが、少なくとも、これまでの総合数値は参考にもならないものと思われます。


経審受審業者は、全国で17万8千社余り(平成17年度実績)ですが、その94%が完工高10億円未満の中小零細建設業者であり、その54%が1億円未満の零細業者なのです。経審データを管理している建設業情報管理センターの資料によれば、完工高が小さくなるほどその収益性が悪くなり、1億円未満からは営業利益がマイナス(つまり、営業損失)になっています。
つまり、地場の中小零細建設業者は、現行の経審に対応するためにこれまで、固定資産を減少させるために自前の建設機械をリースに切り替え、人件費を抑制するために技術者を減らし、有利子負債を減らす努力をしてきましたが、そのために現状では零細になればなるほど収益性を確保できず、殆ど体力を持っていないのが実態なのです。
平成6年(算出方法の変更)、平成11年(Y評点の大幅見直し)の改正毎に、建設業経営のあり方を変える必要に迫られ、それに対応する努力をして、やっとなんとか経営を維持してきたところに、またもや今度はこれまでやってきたこととは逆の対応(完工高を大きく、固定資産をもて、技術者を確保しろ等)を迫られることになるわけですから本当に大変なことになると思います。
国交省も公共発注者もあからさまに口にこそ出しませんが、“新建設産業政策2007”の中でも「供給過剰状態は未だに解消されていない」ことが最大の問題であるように表現され、その是正、つまり建設業者を減らすことが目下の最大の政策課題になっているようにさえ思えます。
今回の経審改正が、その政策課題を遂行するために用いられるとするならば、まさに、中小建設業者いじめにならざるをえず、そのようなことはあってはならないと強く思うのです。

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